自民党総裁選に勝利した安倍晋三元首相(KAZUHIRO NOGI/AFP/GettyImages)
【大紀元日本9月27日】26日の自民党総裁選で安倍晋三元首相が当選したことを受け、中国メディアは「対中韓でもっとも強硬な姿勢をとった人物が最後に笑った」などと報じた。
人民日報傘下の環球時報は27日朝、「タカ派人物が日本の首相になるか 安倍晋三の勝利が中日関係に衝撃」という見出しの報道を出した。報道は自民党総裁に選出された安倍氏が「次期日本の首相に選ばれる可能性が極めて大きい」との見方を示した。また、今回の総裁選の候補者全員が「対中韓外交に強硬」であり、その中でも、もっとも強硬な安倍氏が最後に笑ったと評し、5日前の民主党の総裁選でも「強硬な野田佳彦氏」が選出されたことにも言及した。安倍氏が当選後の記者会見で述べた「尖閣諸島、領海をしっかりと守る意思を示したい」との言葉にも同報道は触れ、強い警戒感を示した。
中国メディアの中でも強腰の環球時報の今回の報道は、自社のコメントを避け、やや控えめ。この短い報道から約2時間後、同紙はふたたび、シンガポール中国語紙・聯合早報の報道を伝える形で安倍氏の当選をフォーカスした。記事は、安倍氏の当選で「日中関係はさらに厄介になる」と繰り返し主張。「領土・軍事・歴史問題すべてにおいて」強硬姿勢をとる安倍氏が次期首相となった場合、「日本の右傾化が加速される」と、警戒心をあらわにした。
一方、安倍氏は2006年、首相就任後間もなく訪中し、前任の小泉元首相による靖国参拝問題がもたらした日中の冷却した関係を打開したという、中国にとっての安心材料もある。英BBC放送によれば、安倍氏が2007年に辞任した後、中国外交筋は非公式の場で「外交は意外と安定していた」と評価していたという。政府系シンクタンク、中国現代国際関係研究院の日本問題専門家・霍建岡氏は国内紙・新京報の取材に対し、安倍氏の前回の首相就任前後の対中姿勢を引き合いに出し、「彼がどう言うかを見るのではなく、将来どうするかを見るのだ」と期待感をにじませた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。