北京中心部の風景(Bryn Pinzgauer/Flickr)
【大紀元日本7月28日】中国政府は24日、投機的需要を抑制し、不動産価格抑制政策の成果を強化するため、近く、全国16の省と直轄市に8つの監督調査チームを派遣し、政策実施状況を調査すると発表した。この政策の影響で、財政収入が大幅に減少した地方政府が相次いで不動産価格抑制政策を微調整していることを背景に、政府は不動産価格の再上昇に強い警戒感を示している。
5月以降、北京や深センなど一部の都市では住宅契約件数が増加傾向にあり、住宅価格も底値を打ち、反転する兆候が現れている。このような状況に対し、温家宝首相はこれまで公の場で5度も住宅市場に言及し、各地方政府に対して不動産価格抑制政策を徹底的に実施し、不動産価格の反発を必ず抑えるようにと強く指示を出した。また、住宅および都市建設部や国家開発改革委員会、国家資源部など中央政府機関部署は、6月と7月に計10度各地方政府に対して緊急通達を発布し、政策の実行を緩めないようにと命令を出した。
多くの地方政府が微調整に踏み切ったのは、同政策の影響で土地需要が低迷し、地方政府の主な収入源である土地譲渡金収入が大幅に減少したことで財政不足に陥ったことが原因である。財政部の統計によると、今年上半期全国国有土地使用権譲渡金収入は前年同期比で27.5%減の1兆1430億元となった。国内報道によると、昨年下半垣xun_ネ降現在に至るまで、約50以上の省政府や市政府が微調整措置を打ち出している。
在米中国経済専門家の程暁農氏は大紀元の取材に対し、「地方政府は微調整措置で土地収入を増やし、財政難を解決しようとしている。しかし中央政府はこのような動きに対し、非常に危惧している。地方政府による微調整措置で住宅価格が再び急上昇する場合、結果的に中央政府はまたその危機に対応しなければならないからだ」と話した。
一方、程氏は、監督調査チームを派遣しても住宅価格が直ちに下落することはないだろうとの認識を示した。「中央政府と地方政府が政策の駆け引きをしている。監督調査チームが派遣されても何の解決にもならないだろう」と指摘した。
「中央政府は、中国の不動産バブルが中国経済または金融機関を危機に陥らせる最大の要因であることをよく理解している。地方政府にこれまでと同様、不動産市場に頼らせていれば、中国経済がさらに悪化する恐れがあると認識している。また一方で中央政府は、財政難で地方政府が破綻していくことを望んでいないのも事実だ。地方政府側も、中央政府のこの心情を掴んで、不動産抑制政策において、上に政策があれば下に対策ありと、押し引きを繰り返しながら中央政府と駆け引きをしている」と程氏は述べた。
程氏はまた「中央政府が監督調査チームを派遣したのは今回が初めてではない」。監督調査チームの派遣によって、直ちに住宅市場に何かの動きがもたらされるかについて、「まだ何も分からない。派遣後に中央政府がどのような措置を打ち出すのかを見極めることが最も重要だ」との見解を示した。
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