中共高層部が相次いで政権危機をもらす。写真は中紀委書記賀国強氏(gettyimages)
【大紀元日本6月28日】党上層部メンバーは相次ぎ、「政権が危機的問題に直面している」と警鐘を鳴らしている。地方政府や党の末端組織がコントロールできなくなるなどの問題を取り上げ、「状況は非常に深刻である」との認識を示している。
中共中央紀律検査委員会のトップ
香港の政論誌「動向」最新号によると、党員の汚職を監視する中央紀律検査委員会トップの賀国強書記は最近、「中央指導部は地方政府、党の末端組織と農村部を制御できなくなった」と言及した。
同書記は同委員会の常務会議、全国各省の局長会議および、地方視察の際などで同発言を繰り返した。
同書記は「潜在的な危機から目に見える現実的な危機に変わり、政治や、党組織、思想、政策の執行などの各方面で反映されている」と発言した。
地方政府への制御困難として、中央の方針と政策が十分に執行されていないこと、地方政府が勝手に権力を拡大・濫用すること、地方経済の悪化や住民との関係悪化などの問題点が上げられている。
また、「末端の党組織を管理できなくなり、汚職問題や官位売買が横行し、市民の不満が高まっている」と危機感をあらわにした。
さらに、「農村部の党組織と行政部門の約8割は機能しておらず、農民の支持を得ていない」と民心を失ったことを認めた。しかも改善策について、同書記は「正確かつ有効な答えを出せない」「特効処方がない」などと述べた。
次期最高指導者「幹部の汚職は党と国滅亡の災いの元」
次期最高指導者に就任する予定の習近平国家副主席も最近、各省・市の幹部中央会議で、幹部の汚職問題は深刻化していると強調。「すでに国民に強い怒りと不満をもたらしている」「党と国を滅ぼす災いの元」と述べ、「危機を解消できるかどうかは、党自身の改革にかかっている」と指摘した。
共産党人事を主管する中央組織部トップの李源潮部長は会議で、幹部の汚職問題について「厳しい現実を認めせざるを得ない。状況は非常に深刻で恥辱である」と述べた。
胡錦濤総書記「党は非常事態にある」
4月14日、国務院と中央軍事委員会は共同で軍の全国各機関に、胡錦濤総書記の重要談話という内容の内部通達を出した。同内部通達では総書記が、「党と国家は非常事態な時期に突入している」と認め、「厳しいかつ複雑な国内外の情勢を認識し、受け入れるしかない。冷静に対応しなければ、大きな過ちを起こし、計り知れない損失と犠牲を払う」などと述べた。