「スキャンダル人民共和国」と題されたタイム誌、中国税関に没収される

2012/05/30
更新: 2012/05/30

「スキャンダル人民共和国」と題された、5月14日発刊の英タイム誌

【大紀元日本5月30日】英タイム誌北京支局によると、薄熙来問題を取り上げた同誌62部が、中国税関局に押収されていたことがわかった。記事を担当したハンナ・ビーチ記者が同氏のブログで明らかにした。

押収されたのは「スキャンダル人民共和国」と題され、党の役職をすべて解任された薄熙来重慶市元トップの写真を表紙に飾った5月14日発刊号。副題には「殺人、嘘、崩壊、中国は真実と向き合えるか」とある。

「雑誌を押収した」との通知がタイム誌北京支局に届くと、タイム誌側は税関局に理由を問い合わせた。税関職員は「既知のとおり、中国はイデオロギー問題に関しては非常に厳しい」と話した。また雑誌の公表には北京市新聞出版局の許可が必要だという。

しかし次のようにも述べた。「実際に押収した職員はここにはおらず、(押収したとの)通知も送った例はこれまでない」。またある職員は「ここは中国だ。我々は外国の雑誌が公表されるのを許可していない」と述べたが、これらは明らかな嘘である。北京や上海など都市部の高級ホテルなどには外国の新聞や雑誌が置かれている。

次にタイム誌側は国家新聞出版局に電話で問い合わせた。しかし応対した者は、この問題について話せるものは「会議中」と言い張るばかりで、後で電話をすると言って電話を切ったものの、返事は来なかった。数日後、ふたたび電話をかけると、最初とは異なる人物が応対し、北京関税局が行った62部の押収について「彼らには彼らの理由がある」と冷たく言い放つのみで、それ以上の説明はなかった。

タイム誌が5月14日発売の雑誌を手にするには、中国国営の輸出入企業に連絡して、相応の取り計らいをしてもらわなければならない。しかし国営企業が、海外メディアの雑誌という敏感なものを取り扱うなどという危険を冒す勇気はないだろう。ハンナ・ビーチ記者は雑誌の入手を諦めた。

(翻訳編集・佐渡 道世)
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