【大紀元日本5月15日】中国の川はすでに七色に染められている―国家環境保護局の幹部はこう発言し、水汚染の深刻さを認めた。一方、専門家は汚染された河川の水質はすでに改善不能の状態に達したと指摘する。中国では、水道水の50%が安全基準に達していないと報道されたばかり。ラジオ・フリー・アジア(RFA)が12日に伝えた。
中国国家環境保護局政策法規司(局)の別涛・副司長は国内紙・第一財経日報の取材に対し、「南方の川はすべて汚染されている。北方の川はすべて枯渇している」という言葉は水汚染の現状をリアルに反映していると話し、汚染で様々な色をする河が現れているという。昨年、河南省洛陽市内を流れる川は違法操業の染物工場が垂れ流した赤い染料で真っ赤に染められ、「血の川」となったことが報じられ、話題を呼んだ。
同氏は深刻化する一方の水汚染について、国が設けた排水基準があるが、無許可の排水や基準値を超えた汚染水の排出が日常的に起きていると、企業のモラルの低さを指摘した。
環境保全に取り組む、浙江省杭州市在住の活動家・鄒巍氏は、化学工場が河川の上流である農村部へと移転するにつれ、上流から汚染が進んでいると指摘、さらに地方政府は水汚染問題を真剣に取り組む姿勢はないとも述べた。「問題が発生してからの対応では、もう手遅れだ」という。
さらに、浙江省の場合、有毒有機汚染物を使用する染色工業が多いため、水汚染を原因とする市民の抗議事件が多発していると指摘した。
一方、ワシントンにある国際中国環境基金会の何平会長は、中国の水汚染はすでに改善できなくなる状況に至ったと指摘する。「廃水処理設備の老朽化が進んでいるが、整備は追いつかない。多くの廃水は未処理のまま、河川に流されたりしている」と述べ、さらに「農村部では化学農薬を使用しているため、水汚染は深刻だ。一部の水は自然浄化できなくなっている」との見解を示した。