【大紀元日本2月11日】「彭沢原発」。中国内陸部では初の原子力発電所として長江の畔にある江西省九江市で建設準備が進められている。3年後の2015年に正式に稼働する計画だ。
だが、この計画に待ったをかけた県があった。建設予定地の九江市彭沢県と長江を挟んで隣接する安徽省望江県だ。同県政府は彭沢原発の建設認可申請に虚偽の内容があったとして、中央政府に建設中止を求めている。国内メディア各社が伝えた。
中止要請の理由の1つは人口密度。中国の基準では原発から半径10キロ以内の地域で、人口10万人以上の地区がないことを条件としているが、実際には、彭沢原発の10キロ圏内には同県の3つ以上の鎮があり、その中の1つの鎮だけでも20万人が居住しているという。
もう1つは原発の建設予定地が「九江ー靖安」の活断層に位置していること。度々地震が起きる地域であるにもかかわらず、認可申請の際、報告・考慮されていないという。
さらに中止要請のもう1つの理由は、予定地周辺に工場が集中していること。認可申請書には「15キロ圏内に大・中企業がない」との内容が盛り込まれているが、事実とかけ離れていると望江県は主張。(原発建設への賛成は多数という)民意調査は偏っており、調査の透明性が疑われると同県は指摘している。
彭沢原発は中国内陸部で初の原発として2010年に建設が認可された。昨年の福島第一原発の事故を受け、建設が一旦凍結されていたが、今年中の着工が見込まれている。これに対し望江県政府は昨年11月、建設中止を求める文書を当局に提出したが、今月に入ってウェブ上で公開され話題となった。「長江の畔での原発建設は無謀で、時限爆弾を抱えるようなものだ」と憂慮の声がウェブ上を飛び交う。
(翻訳編集・張凛音)