米豪が軍事協力強化 中国政府は反発 「ダーウィン基地は射程内」

2011/11/18
更新: 2011/11/18

【大紀元日本11月18日】米国のオバマ大統領と豪州のギラード首相は16日、アジア太平洋地域における米軍の軍事力配置を強化する計画を共同発表した。計画の第一段階は、豪州のダーウィン港の軍事基地に数千人の米軍を配置する予定。

ダーウィン港はアメリカ軍にとって地理的位置が有利で、東南アジアで有事のとき、迅速に対応できる。

オバマ大統領はギラード首相との共同記者会見で、米国はアジア太平洋地域への投入と責務を強化すると再び強調した。

またギラード首相は、2012年からダーウィン港で200~250人の米海兵隊を配置し、やがて2500人に増やすと公表した。

日本と韓国の軍事基地にくわえ、米国が豪州での新たな軍事力配置について、英BBC(中国語版)は、「中国政府は米国が自分たちを包囲する証拠と見なすであろう」「米国のアジアでの軍事力配置の増強に関して、一部のアジア国家は歓迎するであろう。中国政府の拡大し続けている影響力を抑制でき、特に中国の増強している海軍をけん制できるからだ」と評した。

一方、中国政府は早くも反応を示した。

中国外交部の劉為民・報道官は同日の定例記者会見で、「世界経済が低迷し、発展を促進することが国際社会の共通認識と焦点になった今、軍事同盟を強化・拡大することは時代に適合した行為かどうか、地域ないし国際社会の共通の期待に添っているかどうかについて議論の価値がある」と述べ、米豪両国の同計画に不快感をにじませた。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(英語版)は同日の社説で「豪州は中国をバカにしてはならない。中国の安全保障を弱体化させながら、経済協力を進めることはできない。ここには越えてはならない一線がある」と批判。同日の中国語版の社説も「米国が国際社会を引き裂こうとするならば、『21世紀新冷戦』の構想につなげようとするならば、それは歴史の後退になる」との論調を繰り広げた。

豪有力紙シドニー・モーニング・ヘラルドもこれに関連した中国軍幹部の発言を報じた。「オーストラリアは衰退する安全保障人に近寄るために、経済利益を与えてくれた者を犠牲にした」とこの中国軍の元ブレーン・宋暁軍氏は述べ、「ダーウィンは中国の戦略ミサイルの射程内にある」と威嚇した。

中国の駐豪大使・陳育明氏は現在、休暇をとって中国に戻っている。16日の夜に豪首都キャンベラで開かれたオバマ大統領の歓迎パーティーに、各国の駐豪大使館の外交官が出席したものの、中国代表は姿を見せなかったという。

(翻訳編集・叶子)