豪華遊覧船がお披露目の日に沈没=甘粛省蘭州市

2011/10/13
更新: 2011/10/13

【大紀元日本10月13日】中国西北部の鉄鋼最大手が建造した豪華遊覧船は先月末、蘭州市で開かれた進水式当日で、浮かぶことなく沈没するという珍事が起きた。同省の官製メディアは進水式については報道したが、「沈没」については言及していなかった。

今月10日、1人のブロガーがこの事態を写真とともに自身のブログに掲載したことで、ネット上で大変話題となった。事故が広く知られたことで対応せざるを得なくなった蘭州市交通局は11日、事故後初めて事実を公表し、これを認めた。

このブロガーが掲載した式典当日の写真を見ると、酒鋼号は船尾から船体の半分くらいが黄河に浸水しており、先頭部が水面から約30度高く立ち上がっている。

11日付けの『南方日報』によると、蘭州市当局が重要な建設企画に定める「酒鋼号」遊覧船は、酒鋼グループ(酒泉鋼鉄集団)より蘭州市に寄付されたもの。同市交通運輸局によると、酒鋼号は全長32.4メートル、最大時速22キロ、乗客定員80人で総投資額は約1700万元(約2億円)に上る。市は「蘭州市最大級で最も豪華な遊覧船」とうたっていただけに、お披露目の日に沈没という珍事を晒したくなかったようだ。

蘭州市交通局の説明によると、沈没した主な原因は操作ミスによるという。酒鋼号は2日に引き上げられ、点検作業が行われている。沈没による負傷者は出ていない。交通局幹部の話では、船体を作り直し、1カ月後に再度試験航行する予定だ。

最近の相次ぐ鉄道事故などにより、中国の交通システムの安全管理に対して懸念の声が高まっている。今回の遊覧船の進水式での沈没事故も、システム管理不足や整備不良など、同様の問題点を通過する延長線にあり、中国交通機関の信用を更に落とす結果になりそうだ。

(翻訳編集・佐渡 道世)