10・1 中共政権樹立日を前に、直訴者であふれる北京

2011/09/30
更新: 2011/09/30

【大紀元日本9月30日】中国共産党が政権を樹立した10月1日を前にして、中共国家信訪局など、北京にある中央政府機関の陳情受付所の周辺は、国内各地から上京した膨大な数の直訴者であふれている。その数は数万人とも見られる。一方、付近には直訴を阻止する地方政府の車両も多数待機しており、直訴者を拘束して強制的に地元へ連れ戻している。

直訴者が、遠く離れた北京まで来て陳情を行う理由はさまざまであるが、地元の地方政府に訴えても全く効果がない、あるいは地方政府から直接的な被害を受けたなどの理由も少なくない。

湖南省長沙市から来た直訴者の雯(ぶん)さんは、本紙記者の取材に対して次のように語った。

それによると、雯さんは長沙市開阜区三角洲の住民で、2006年に家屋が強制的に取り壊され、住む家を失った。不当な扱いを訴えるため北京への陳情を繰り返してきたが、一向に解決のめどは立っていない。今回は、再度直訴を試みるため、9月15日に北京に入ったという。

また、長沙市岳麓区から来た直訴者で、女性の李さんは、次のように述べた。

その証言によると、9月27日には、陳情受付所の付近に各地から来た約数万人の直訴者が集まっていた。そのうち、彼女が知っている長沙市の人は60数人いた。地方政府は9月2日から直訴者を拘束し始め、強制的に地元へ連れ戻している。連れ戻された人はそのまま監禁され、長沙市ではすでに40人以上が行方不明になっている。身柄拘束に当たっては、いかなる証拠の提示もなく正当な手続きもされないため、行方不明者の親族や友人がいくら探してもその所在を知ることはできない。「行方不明になった人は、皆長期にわたって直訴し続けてきた人たちであり、問題は一向に解決されていない」と、李さんは言う。

北京市民の呉さんによると、北京市内では身分証明書の提示を求める検問が随所で見られるという。

地方からの直訴者と疑われた場合、身柄が拘束されて居住地に送り返される。その場合、強制送還された直訴者1人当たりにつき、地方政府は一定額の費用を中央政府に納めなければならない。それは中央政府にとっては収入源であるが、地方政府にとっては無駄な出費となる。地方政府が自ら車両を出して直訴者を拘束する背景には、そのような事情もあると見られる。

各地から北京へ集まった直訴者たち(読者提供)

(記者・李美坤、翻訳編集・叶子)