【大紀元日本4月26日】24日、パレスチナのサマリア地方にあるゲリジム山で、祈りを捧げて夜明けを待つサマリア人たち。サマリア人の信仰は4つの原則に基づく。イスラエルの神を唯一とし、唯一の預言者・モーゼ、そして旧約聖書を読み、1つの聖地・ゲリジム山で祈ること。サマリア人はイスラム教徒やユダヤ人から迫害されていた歴史が長く、現在は数百人程度しかいない。
新約聖書の中でも有名なイエスの物語として「善きサマリア人のたとえ」がある。ユダヤ人法律学者が、永遠の命を受け継ぐ方法として「神への愛と隣人愛」を答えとする時、さらに「この隣人は誰か」との問いかけに、イエスが答えた例え話。
それは、強盗から暴行を受けて道に倒れた人を、祭司や高官が見て見ぬ振りをする中で、当時ユダヤ人から忌み嫌われていたサマリア人だけが被害者を手厚く介抱したというもの。イエスはこの被害者の隣人をサマリア人とし、これを正しい行いとして「同じようにしなさい」と法律学者に説いたという。
この話は全米の法律の中にも取り込まれている。「災難や急病で窮地にある人を救うために無償で善意の行動をとった場合、その行いが良識的かつ誠実であるならば、結果の善悪に責任は問われない」という趣旨の法律。明確ではないものの、日本の民法上にも相当する規定が存在する。