【大紀元日本4月22日】上海市中心部にある上海電信のビルで19日、火災が発生し4人が死亡。火災はビル13階の機械室で発生し、中で作業していた作業員4人が巻き込まれたという。その2日前の17日には、南京西路にある上海空港城市航站ビルの屋上でも火災が起きた。
同市は昨年11月、中心部静安区にある28階建のマンションで起きた火災により、53人の死者と70人以上の負傷者を出していた。原因は溶接作業時の火花が、外装工事に使われる可燃物に引火したことによると発表した。現場にいた溶接工はその後逮捕されている。
今回17日と19日に起きたビル火災の原因も、作業員が金属を切断する時に発生した火花が燃え広がったためとみられている。
昨年のマンション火災後に、上海市の韓正市長は、ビル安全管理制度の強化や、政府の監督責任の細分化などの構想を打ち立てた。各地区で防災訓練が実施され、安全対策会議も盛んに行われてきたが、火災の減少にはつながらなかった。
相次ぐ深刻な火災発生について、海外の中国語メディア「世界日報」は、火災発生のたびに、現場作業員の責任は追求されるものの、当局関係者は処罰から逃れていると指摘し、うわべの施策は抜本的な改善にはつながらないとの見方を示した。53人の死者を出したマンション火災後も、当局は、末端な関係者を処分することで事態の収束をはかった。事故の後しばらくすると、メディアもそれについての報道はほとんどしなくなった。
1年前の万博では、上海市はニューヨーク・パリを超える「一流の国際都市」の都市風景を世界に誇示していた。しかし、その裏にある政府のずさんな管理、当局者の責任感の欠如、民間業者の粗末な作業形態などは、いずれも「一流の国際都市」のレベルにはほど遠い、と「世界日報」の記事は結んだ。
(翻訳編集・張凛音)
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