【大紀元日本3月11日】緊迫する中東情勢を受け、原油価格が急騰している。そんな中、世界2位の原油輸入国の中国の石油備蓄が注目されている。
中国石油天然気集団(中石油)元社長の陳耕氏は7日、香港・明報の取材に、中国の石油備蓄は10日~15日分に相当する1200万トンで、国際基準の20%にも満たないと明かし、中東や北アフリカの混乱が半年続けば、中国にとって最大の危機となると語った。
一方、明報の報道につづき、9日付の中国紙・毎日経済新聞は、中国の物資備蓄局の王慶雲・局長の話として、中国の石油備蓄は1カ月分だと報じている。将来は国際基準の90日分に拡大させるとしている。
ロイター通信は王局長の発言に基づき、中国の原油備蓄は2700万トンで、ガソリンなどの石油製品の備蓄は900万トンと推算している。陳耕氏が明らかにした1200万トンとの間に大きな食い違いがある。
なお英BBCによると、アメリカの原油備蓄は7億バレル超で、約1億トン。現使用量の34日分に相当する。日本の原油備蓄はそれに続き、5億バレルを超えている。
中国の石油備蓄基地
中国は国内需要の急騰で、石油の輸入も急激に拡大している。昨年の国内石油消費量は4億6千万トンで、うち56%にあたる2億6千トンが輸入された。米在住のエネルギー専門家の楊氏はラジオ自由アジア(RFA)の取材に対し、中国の輸入の多くは中東地域に依存しているため、これらの産油国の政情不安による原油価格の変動が中国経済に与える影響は非常に大きいと語った。「中国は大規模な石油備蓄基地の建設を迫られている」と楊氏は指摘する。
中国政府は2003年から第1次プロジェクトとして、浙江省鎮海、舟山、山東省青島、遼寧省大連の4つの石油備蓄基地の建設を開始し、2008年に完成し操業を始めている。4カ所の備蓄能力は1400万トンと、需要に届かない規模である。2009年には第2次プロジェクトとして8都市で備蓄基地の建設に着工している。
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