【大紀元日本2月25日】米国のアップル社は先週、世界各国の工場従業員の労働条件に関する年度調査報告書を公表し、中国の委託製造工場で従業員が健康を害している問題を提起した。23日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙が報じた。
同調査報告書によると、アップル社の中国内の委託製造工場で、137人の従業員が製造過程で利用される化学物質のため、重度の中毒症状を起こし、病院で治療を受けてきたという。
情報によると、被害が出たのは、携帯電話端末iPhoneを委託製造している台湾電子メーカー勝華科技(wintek)社の蘇州工場である。同工場では、タッチパネルの液晶洗浄剤として、規定のアルコールを08年5月から、蒸発の速いノルマルヘキサンに切り替えていた。2009年末から従業員は、手足が腫れたり、マヒ、疲労、眩暈症状を集団で訴え始めた。一部の労働者は階段を上がったりボタンをかけることも困難になり、頭が割れそうに痛み、常に手が汗ばむと相次いで訴えていた。
ロイター通信の23日の報道によると、同工場の従業員5人はアップル最高経営者スティーブ・ジョブス氏に助けを要請する公開書簡を送り、「ノルマルヘキサンは見えない殺人者」などと訴えたという。
アップル社は同中毒事件が自社の従業員労働安全の規則に著しく違反していることを認め、中国国内の委託製造業者に対し、同化学物質の使用中止を命じ、工場の労働条件の改善を要求している。
一方、23日付の新浪科技によると、勝華科技は今まで中毒で入院治療を受けた91人の従業員に計150万ドル(約1200万円)の賠償金を支払っている。
(翻訳編集・叶子)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。