【大紀元日本1月26日】米ニューヨークのタイムズ・スクエアで17日から、中国の国家イメージを宣伝する動画が放映されている。中国の多くの著名人が出演する60秒の「赤い」映像は、2月14日まで1時間に15回、合計8400回、専用の巨大スクリーンで流される。中国のことをアメリカ人にもっと知ってもらうことが放映の目的だとしたら、その効果は希薄だ、と米メディア各社はコメントしている。
米週刊誌・ニューズウィークの北京特派員イザック・フィッシュ氏は19日に「中国の魅惑攻勢の失策」と題する記事のなかで、今回の広告がもたらした効果について、「啓発」するよりもアメリカ人の「困惑」を一層深めたと指摘した。
フィッシュ氏は、60秒で5千年の歴史と14億人を押し込むという無理があり、CM自体が「製作者の野心の犠牲」になっていると指摘。多くの著名人が出演しているが、女優のチャン・ツィイーやバスケット選手の姚明など、わずかの世界的な有名人以外、「ロボット科学者の孫家棟さん、シンガーの劉歓さん、CCTVの名物司会者・敬一丹さんなど、アメリカ人の知らない人物ばかり」であるとし、「知りもしない成功した中国人」の微笑みを60秒間見続けることは「退屈」だとコメントした。
米フォーブス誌のガディ・エプスタイン氏は記者ブログで、「中国国民はプロパガンダの強要に慣れているかもしれないが、海外ではそういうわけにはいかない」と記述している。このような時代遅れの宣伝手法は裏目に出ることが多いとコメントし、アメリカ人は恐らくすでに固定された中国へのイメージでこのCMを観るだろうから、かえって反感を深めてしまう可能性があると分析した。
同氏はさらに、中国当局は自身のイメージアップに努めなければならないが、この種のPRよりも人権問題を改善した方がよほど効果的だと述べた。
また、20日のNBCニュースは、今回の宣伝映像の出演者のうち、少なくとも3人がアメリカ国籍であり、永住資格者を含めるとその数はさらに増えるとネット利用者の書き込みで分かったと報道している。ネットユーザーは、「この広告が伝えたいメッセージは、最も才能のある中国人はアメリカに渡っているということ。そして、中国人の目標とはアメリカ人になることだ」と冷やかしている。
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