【大紀元日本1月5日】昨年末、浙江省温州市楽清で起きた村長の不審死をめぐり、1日、村民と地元警察の衝突事件が発生した。約1万人が衝突現場に集まり、数百人の機動隊と対峙した。少なくとも10人の村民が負傷しており、多くの村民が連行されたもよう。ドイチェ・ヴィレ(ドイツの声)が伝えた。
事件の発端は元村長の死。銭雲会・元寨橋村村長は6年間村民を率い、同村の農業用地が無償で強制収用されたことに対して、当局に陳情し続けたが、昨年12月25日にトラックに轢かれ死亡した。村長の死には不審な点があるという書き込みがネットに殺到したため、当局はやむを得ず事件として調査に乗り出したという。
村民によると、事件から1週間が経ち、村長の死を目撃した村民らが連行され、いまだに拘束されたままという。長年にわたる怒りが募り、1日のデモには、近くの村からも多くの村民が寨橋村に向かい、途中で警備する機動隊と衝突したもようだ。
一方、銭・元村長の死亡の検証に乗り出した独立調査団・公盟調査団の張永攀氏は、事件性を示す録音を含めて証拠を少しずつ入手したという。しかし、一部の目撃者はいまだに拘束されており、唯一釈放された第一目撃者の証言が、拘束される前と異なる内容になったことから、地元公安局の拷問を受けた可能性があるとし、他の目撃者の証言も信用できなくなる可能性があると示唆した。
また、事件発生前に、銭・元村長は友人に、ある人からの約100万元(約1200万円)の賄賂を断ったから命を狙われる危険があると漏らしていたという。さらに、知人からの情報によると、トラックの運転手は刑務所から釈放されたばかりの薬物常用者。しかし、これらの情報も、村民の間に当局に対する恐怖心があるため、裏付けが取れない。
また、調査に協力している劉徳軍さんも、ドイチェ・ヴィレの電話取材に対して、調査に応じれば連行される恐れがあるため、真相を語る村民はいないと話した。劉さんは、今回の事件は氷山の一角に過ぎず、多くの村で同様の土地強制収用を人々が体験してきたという。
中国国内の調査には限界があり、海外の人々がもっとこの件に関心を寄せ力を貸してくれるよう、公盟調査団の張氏は呼びかけた。
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