【大紀元日本12月2日】11月24日、移転先の住居問題や補償金不足などを訴える南水北調移民らが湖北省潜江市の広華街道を塞ぎ3日間にわたる抗議を開始した。
南水北調による移転者には政府が1人当たり20万元(約250万円)の補償金を割り当てている。だが実際には、移民たちは7400元(約9.3万円)しか支給されていない。そのうえ自らの貯金から4万5千元(約57万円)で購入した移転先住居には早々に亀裂が入り、倒壊の危険がある。このため移民たちは道路を塞ぎ抗議したが、問題は解決しないばかりか却って武装警察による暴力的鎮圧を受け、多くの人が負傷し、29人が逮捕され未だに拘束されている。
自由アジア放送(RFA)によると、移転先住居の質が低く補償金も所定の金額を受け取れないため数千人の鄖(うん)県移民が24日夜から省道広華区間を塞ぎ、布団や衣類を道路に持ちだして徹夜で抗議した。25日昼、抗議者と警察の間で摩擦が生じ、多くのパトカーが川に落とされた。この日の晩、再び摩擦が生じ、翌26日、一部の移民が高速道路を塞ぐ準備を始めたが、武装警察の遮断により国道に移動したという。
移民の一人である張さんの話によると、1日目は800人以上が道路を塞ぎ、住居・移転補償金などの問題解決を要求した。2日目は1400人以上が集まり、省の指導部からも人がやって来たが、問題は解決しなかった。政府がヘリコプターで5000人の武装警察を送り込んできたので、衝突が様変わりした。3日目は高速道路を塞ごうと準備したが行き着く前に武装警察に遮られた。彼らは人を見れば殴り、29人が捕まった。現場には4、5万人がおり、そのうちの移民は2万人以上だったという。
「彼らは我々に話をさせず、意見させない。国が我々に割り当てた移転費は手に入らない。移転先の住居は各家庭4.5万元を出して購入したものだが、質が良くない。これが我々の騒いでいる原因だ」と武当山区移民の羅さんは話した。
南水北調プロジェクトにおいて、湖北十堰地区の移民は合わせて38万人。今年の移民は1.8万人だ。それぞれ武当山、鄖西県および鄖県など省内数か所のダム区から移民した。今回の抗議に参与した移民は主に11月に新たに移転してきた移民である。
近隣の村民によると、現在移民たちが住んでいる地区は封鎖され、武装警察により監視されているため、外部の者は進入することができないという。
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