【大紀元日本11月23日】スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ大統領二期目の就任式典の前夜にあたる11月18日、同国南部の街ハンバントタで、中国資本が支援した港の開港式が行われた。この新設港は石油タンカー航路の主要地であり、インドを包囲する中国の戦略地点「真珠の首飾り」上に位置している。
「真珠の首飾り」戦略とは、インド洋沿岸各国の港湾整備を支援し、シーレーン(海上交通路)に拠点作りを進める中国の港湾拠点を設置する策のこと。これまでパキスタンのグワダル、バングラデシュのチッタゴン、ミャンマーのシットウェー、さらに今回のスリランカのハンバントタなどで、中国の大規模な資本投資による近代港湾施設が建設されてきた。
18日付のインド紙「ザ・ヒンズー」によると、3億6千万ドルにも上ったハンバントタの新設港の第一工期費用は、借款として85%を中国政府が支援し、建設も中国の国有企業・中国港湾工程公司が担当した。質の高い乗客用ターミナル、貨物取扱所、倉庫、燃料積込地、食糧供給、メンテナンス・修繕設備、医療供給、決済設備などを備えているという。総工費15億ドルの 巨大なインフラ・プロジェクトであり、 スリランカ経済を一転させる設備として、マーケティングが展開されてきた。
深水港である同港は、中東からシンガポール、インド、タイ、マレーシアと三日かけて迂回していた大型の石油タンカー航路の要地として重要な意味をもっている。同時にインドを包囲するよう中国が勢力を強める「真珠の首飾り」戦略地点に位置するため、インドにとっては警戒感を高める存在だ。
18日付の英ガーディアン紙によると、「隣国での中国勢力の強化を立証するこのような開発をインドは密接に監視する必要がある」とインドの前海軍准将、ウデイ・バスカー氏はコメントしている。
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