軟禁から解放された建築家・艾未未、「今は理屈の通らない時代」=中国

2010/11/11
更新: 2010/11/11

【大紀元日本11月11日】北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」を手がけた建築芸術家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)さんが、中国当局に一時自宅軟禁されていたが、8日早朝に解放された。艾さんは、当局に法律を遵守し、独裁政治を放棄するよう呼びかけた。

艾さんは、上海にある自身のアトリエが「違法建築物」として取り壊されることに抗議するために、解体工事を「鑑賞」しながら、蟹(かに)パーティを開催することをネットで呼びかけ、5日から当局に自宅軟禁された。

蟹の中国語「河蟹hexie」は胡錦濤主席が提唱する「和諧」(調和)と同音であり、蟹パーティで調和を取れていない中国社会を暗に諷刺している。約800人がパーティに参加した。

艾さんは解放された後、蟹パーティに参加した支持者の勇気をたたえ、「今は理屈が通らない時代。最近の政府を見ると、面子ばかりにこだわっていて、まったく恥を知らない」と支持者に語った。またマスコミの電話取材に応じ、中国社会と政治を「人道的ではない」と批判し、一握りの人の利益のために、教育、環境を台無しにし、国民の利益を顧みないと厳しい口調で政府を非難した。

さらに、「時代はすでに変わった。独裁政権を続ければ、逆効果をもたらす恐れがある」と政府に独裁政治をやめるよう呼びかけた。

自宅軟禁中、 艾さんはイギリス大衆紙「ガーディアン」で公開書簡を発表し、キャメロン首相が訪中の際、中国政府に人権問題を提起するよう呼びかけた。「目先の経済利益のために人権への基本理念を放棄してはならない」と強調した。

艾さんは建築家として活躍しているほか、社会活動家としても知られる。2008年5月の四川大震災のあと、独自の調査活動で、校舎の下敷きとなって死亡した児童・生徒の名簿を政府に提出し、原因究明を求めた。

また、「鳥の巣」のデザインを担当したにもかかわらず、のちに北京五輪は政治的ブロバガンダに過ぎないと認識し、開幕式に出席しなかった。

(翻訳編集・高遠)