【大紀元日本11月4日】「全世界の水をボトル一本に喩えるなら、中国には一杯分の水しかなく、北京には一口の水しか残っていない」
都市化が急ピッチで進められている中国では、水不足が日に日に深刻化している。 北京の地下水位は年々低下し続けており、水源の開発利用率は92%にまで上昇。すでに限界に達している、と水利専門家が警告を発した。
北京の水行政管理を担当する北京市水務局のデータによると、昨年の北京の平均降水量は448ミリで、例年の585ミリをはるかに下回ったという。過剰なダム建設と地下水の過度掘削で地下水位は下がりつつある。中国水利水電科学研究院の尹明万チーフエンジニアは、水資源の開発利用率がすでに92%に達したことを指摘している。他省から調達してきた水量も含めると93.87%と算出され、これ以上の開発余地はない。「地下水の水位が漏斗(ろうと)状に低下する『漏斗現象』が進むと、地面の陥没が発生しやすくなる」と警告した。
同氏の考察によると、水消費の内訳から、2000~2009年の間に著しい変化があった。都市部の生活用水は以前の33.1%から42.4%まで増え、かつて40.8%と最大の割合を占めていた農業灌漑用水は33.8%に下がったという。
北京の昨年の水量は21.84億立方メートルと、例年平均の37.39億立方メートルより少ないが、水消費量は35.5億立方メートルに達し、14億立方メートル不足していることを、水務局のデータは示している。
北京では居住人口が毎年2.58%増加しており、2009年に1972万人に達するなど巨大都市に成長したが、すでに12億立方メートルの水が不足しており、「増え続ける人口と大規模な都市化が原因」と尹氏は分析する。
(翻訳編集・高遠)
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