【大紀元日本9月9日】江蘇省丹陽市延陵鎮九里村の季子廟近くには一年中沸き立っている6つの井戸が密集している。
金陵晩報によると、井戸水は下へ行くほど「沸騰」が激しくなっているという。ある専門家が、井戸内の空気成分を調べるため燃えているロウソクを井戸の中に降ろしたところ水面から10センチ余りのところで炎が消えた。また、水質成分を調べた結果、6つの井戸水は硬度が高く、微量のフッ化物と硝酸塩を含んでいるものの飲用水の基準値を満たしているうえ、各種微量元素も豊富に含まれていることが明らかになった。さらに、井戸水の水温が環境温度と一致していることから、温泉ではないことも判明された。
これらの井戸は北から南へ、川辺にS字型に分布し柵で囲まれている。約10メートル四方の範囲に密集し、最も近いもので3、40センチ、最も遠くても1メートルほどしか距離が離れていない。どの井戸も沸き立っているが第4井戸と第6井戸がより激しく沸き立っている。第1井戸と第3井戸が澄んでおり、その他は濁って黄色や黒っぽい色をしている。井戸のふちで耳を澄ますとシューシューというガスの音が聞こえる。深夜、辺りが静まり返るとこの音はさらにはっきりと聞こえるそうだ。
金陵晩報記者が6つの井戸水を味見してみたところ、第1井戸の水は非常に澄んでおりビールのような味がする。第2井戸は少し黄色がかっている。口に含むと刺激がありレモン味がする。第3井戸も第1井戸のように澄んでいるが、こちらは糖分ゼロのサイダーのような味だ。第4井戸の水色は、黒みがかった黄色で鉄サビのような味が口の中に広がる。第5井戸は濁っているが全く苦くなかった。最後の第6井戸はピリッと辛く感じるという。
季子廟の趙永森さんの話によると、これらの井戸は古くからあるが、泥が溜まり、水がなくなっていたため、01年に再び掘られたという。泥を取り除いた後、1週間ほどで水がいっぱいになり濁りが消えた頃には今のような様子になっていたという。また、第1井戸の澄んだ井戸水は08年に起きた5・12四川省大地震の発生2日目に濁り、今年発生した玉樹大地震後も同じ現象が確認されている。
「専門家は井戸水の変色は、地殻変動により引き起こされたものと話している」と趙さんは紹介した。
「ここ数十年来、村では多くの井戸を掘ったが、どの井戸の水も正常だった」と現地住民は話す。6つの井戸に最も近い、季子廟の井戸も数十メートルしか離れていないが、この井戸の水はとても清らかで、普通の井戸と変わらないそうだ。
この井戸の「沸騰」について色や味がなぜそれぞれ違うのか、原因を突き止めるため多くの専門家たちが研究を行ったが、はっきりとした原因は未だに謎のままである。
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