【大紀元日本7月16日】中国国内で販売されるすべてのコンピュータにプレインストールを義務付けたとして、国内外で物議をかもし出したフィルタリングソフト「グリーン・ダム」の北京オフィスが先日、資金難で閉鎖された。昨年6月に導入してからわずか1年だった。
北京大衆紙「京華時報」によると、北京オフィスはすでに先月末で閉鎖され、30数人のスタッフ全員が解雇されたという。鄭州オフィスも同様の窮地に立たされ、「このプロジェクトはもう長く続かないだろう」と関係者は話す。
これまでに同ソフトをインストールした2千万のユーザーは、今後アフターサービスを受けられなくなる恐れがある。
2009年6月、中国工業信息部は青少年をアダルトサイトから守るために同規定を打ち出したが、のちに、天安門事件や法輪功、チベットなど人権問題に関する情報も遮断されていると判明した。目的のアダルトサイトの封鎖はわずか10%しか達成できていないという。
インターネットで実施されたアンケートによると、89%の利用者が同ソフトの義務化に反対している。これを受け、当局はプレインストールの対象を学校とネットカフェに限定し、「3億のネット利用者の勝利だ」と評されていた。
「グリーンダム」と「ユースエスコート」の2つのソフトから構成される同ソフトは、北京大正言語知識処理研究所と鄭州金恵公司の二社によって共同開発された。
無料で提供される同ソフトの開発・運営費は政府が拠出する。08~09年に4170万元が支払われたが、2009年以降支払いが途絶え、解散に追い込まれたという。
2009年6月、米ミシガン大の研究者は、同ソフトにセキュリティの問題があるだけでなく、米国の類似したソフトCybersitterからプログラムの一部を盗用した疑いがあると指摘した。今年1月、Cybersitterの開発者は、グリーンダムを開発・販売する7社の10人を相手に損害賠償を求めた。
アメリカを拠点とし、ファイアウォールを破ることのできる「迂回ソフト」を開発している世界インターネット自由協会(GIFC)の技術担当ビル・シア氏によると、強制的に同ソフトをプレインストールするやり方は中国国民の知る権利を侵害しているとコメントし、「政府が大金を投じて開発した同ソフトは、正式にサービスインする前にすでに破られ、対抗のソフトが協会の専門家によって開発された」と話した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。