【大紀元日本7月10日】中国国内誌「炎黄春秋」はこのほど、中国の故・趙紫陽元総書記を讃える回想録を掲載した。「六・四天安門事件」後、中国政府に軟禁された同氏を公で讃えるのは、中国では非常に稀な動きとして注目されている。
改革の開明派だった趙紫陽・元総書記は、在任中の1989年に武力弾圧された学生民主運動「六・四天安門事件」において、学生たちの主張に一定の理解を示し、武力弾圧に反対した。そのため、事件直後に失脚し、2005年に死去するまで中国政府に自宅軟禁された。
同回想録の著者は、中共中央政治局の元委員で、全国政治協商会議副主席・楊汝岱氏。楊氏は趙紫陽元総書記の元部下である。
回想録では、中国の改革開放初期の四川省の発展や、当時同省のトップだった趙紫陽氏の地元経済への貢献などが記されている。しかし、趙紫陽氏の総書記の肩書きや「六・四天安門事件」には触れられていない。
「炎黄春秋」は政治改革への積極論調で知られ、1991年に、故・蕭克元国防次官などの長老らが立ち上げた中華炎黄文化研究会により創刊された。同誌の杜導正社長は、今回の回想録の発表について、現在、趙紫陽氏の功績についての評価は禁じられるべきではないとコメントした。
(翻訳編集・叶子)
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