中南米火山、相次ぐ噴火 記者一人死亡 グアテマラ空港閉鎖延長

2010/05/31
更新: 2010/05/31

【大紀元日本5月31日】中南米では先週から、2つの火山が相次いで噴火している。各通信社の報道によると、取材記者を含む2人の死亡が確認され、数千人が避難を余儀なくされている。現地の都市には火山灰が厚く積もり、空港閉鎖、休校となり、先月欧州の空の便を混乱させたアイスランドの火山噴火のような状態にある。29日まで閉鎖されたグアテマラ首都の国際空港は、30日再開の予定だったが、熱帯性嵐がもたらした雨により火山灰の掃除が困難になり、閉鎖が更に一週間ほど延長された。

今回噴火したのはグアテマラのパカヤ火山エクアドルトゥングラウア火山。現地時間5月26日のパカヤ火山の噴火では、2人死亡。このうちの1人はテレビのリポーターで、溶岩の直撃を受けて死亡したとAP通信が伝えている。59人が負傷し子供3人が行方不明となったほか、800棟の家屋が破壊され、1千700人から1千900人が家を失った。

グアテマラのコロン大統領は、火山付近地区を15日間の緊急事態区域と宣言。首都グアテマラシティのラ・アウロウ国際空港は滑走路に火山灰が積もり、5月29日まで閉鎖。休校にもなっている。

パカヤ火山

28日、首都グアテマラシティから南へ約40キロの地点にあるパカヤ火山(標高2千552メートル)が再び噴煙を上げたため、グアテマラシティの半径100キロ内は火山灰に覆われた。同国国家地震研究所所長は、過去数年来、相当なエネルギーを蓄積してきたパカヤ火山の噴出はこの先数日続くと警告している。まるで圧力釜のように猛烈な圧力を放出しており、マグマの噴出もしばらく続くものと見られている。

グアテマラには32の火山が存在し、パカヤ火山はこの中でも最も頻繁に活動している火山で、過去49年間に6度の大噴火を起こしている。

トゥングラウア火山

28日、エクアドルではトゥングラウア火山が大噴火した。火山灰や噴出物により7村が避難を余儀なくされ、最大都市グアヤキルのホセ・ホアキン・デ・オルメド空港(同国最大の空港)は閉鎖され、公立校も休校となった。

トゥングラウア火山(標高5千23メートル)は首都キドから東南150キロの地点。06年の大爆発では1村が埋没している。

エクアドル地質研究所所長の話によると、火山から噴出した溶岩や火山雲、ガスは、高度10キロにまで上昇し、火山灰は太平洋に向かって流れているが間もなく消え始め、火山活動も徐々におさまってきているという。

また、火山専門家は、2つの火山から噴出された火山灰は比較的重いため、地面に落ちるのも早く、空路への影響は低いと指摘している。

(翻訳編集坂本)