【大紀元日本11月29日】科学者が、気候変遷は農業危機を引き起こし、全世界の食糧供給に危害が及び、10億の貧困層が更なる飢餓に陥るかもしれないと警告を発している。中でも南アジアとアフリカの受ける打撃は最大という。
AFPによると、国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)副主任キーティンゲ(Dyno Keatinge)氏はこのほど、温暖化の影響を受けて、稲作は脆弱なものとなっているが、米は数10億人の主食であると話した。同研究所はインドのアンドラプラデッシュ州ハイデラバードにて会議を開き、気候変遷が農業に与える影響についての討議を行った。同氏は記者に対し、「これは世界でもっとも主食にしている人々の多い食糧で重要性は言わなくとも判るだろう」「我々は機会があれば他の干ばつに強いコーリャンや粟などの作物を栽培するが、人間の飲食習慣を変えるのは非常に困難である」などと話した。
また、もし研究員が替わりの品種あるいは稲が早く成長する方法を見つけ出せなければ、米の生産量は気温が上昇している環境下であっという間に減少してしまうとし、研究を行うための経費をさらに増やすよう呼びかけている。
政府間気候変遷問題小グループ共同主席・パーリ氏(Martin Parry)は「一般的に、気候の変化は生産量の低下と飢餓リスクの増加をもたらす」と話した。
また同氏は、研究員は「抗干ばつ」作物と抗熱品種を全力で集中研究開発しこの問題に対応しなければならないとし、世界気温上昇により、耐えられる極限が近付いてきていると警告した。
別の専門家は「我々は危機が刺激となって変化をもたらすことを期待しているが、今はすでに危機に直面し始めており、もう待つことは出来ない」と語った。
政府間気候変遷問題小グループは今年ノーベル平和賞を受賞している。