【大紀元日本9月22日】10月に開催される中国共産党第17回全国代表大会を前にして、北京公安および全国各地公安は直訴者への取り締まりを強化した一方、北京市南側にある直訴者村の取り壊し、撤去も着々と進めている。直訴村から追われた直訴者たちはさらに南側の西鉄営村および洋橋地区へ移動した。
直訴者・劉さんによると、派出所は上部からの命令を受けて、北京市周辺にある賃貸、旅館などの施設に対して、直訴者への貸し出し禁止命令を下し、違反者は2万元(約30万円)の罰金を科されるという。直訴者は強制連行を逃れるために、殆んど分散してしまい、恐怖に陥る古い直訴者は国務院、全国人大弁公室への直訴をしなくなったという。
一方、直訴者の黄さんは、各地民衆の陳情を受け付ける場所は、訪ねて来る直訴者を容易に拘束できることから、すでに一部の直訴者が拘束、懲役され、強制労働させられたほか、精神病院に監禁された直訴者までいるという。多くの直訴者は行方不明になり、一部の者は身を隠したという。
河南省盧氏県では、拘束した直訴者をテレビで報道することにより、直訴者の活動を阻止しようとした。また、他の地方においても同様の手段を取っており、この形で直訴者を脅かすという。
また、拘束された直訴者はそれぞれ当局のオフィスなどに止められ、多くは殴打や暴力を受けたという。今年7月24日、直訴者のために弁護した湖北省の鄭大靖さんは北京当局関連センターの者に暴力を振るわされ、意識不明になったことから、鄭さんに同情した直訴者数百人が、センターを包囲し抗議した事件が発生した。また、8月25日、16人の上海直訴者が国連機構を訪ねようとした際、警察に暴力を振るわされ、拘束された。9月9日、上海直訴者は天安門広場へ出掛けた際、駐北京上海市オフィス当局に雇われた暴漢らに暴力を振るわされた。この半月ほどで、上海直訴者は当局からの暴力を何度も受けたという。
現在中国当局は高圧政策を駆使し、落ち着く場所のない直訴者を追い払い、厳しく取り締まっているため、直訴者らは日々生活難に陥っている。香港・中国人権民主運動情報センターによると、民衆が十七党大会の前に、北京へ直訴しないように、中共中央政法委員会は7千件の直訴事案を上げ、それぞれに対して各級政法委員の監督を促した。実際、各地公安はすでに10万人の直訴者に対して地元から離れないように監視を始めているという。
直訴村の直訴者
当局は水面下で直訴者を拘束し、地元へ強制送還すると同時に、メディアにて直訴者に対して公開に恐喝し、判決を下したりし、強制労働の刑を強いた。写真は懲役に処せられた事案
北京直訴者・陳淑雲さんは、北京五輪建設のために、自宅を強制的に取壊された。夫は朝陽区政府庁舎前で服毒自殺した。陳さんは2006年より大八車を引いて、直訴活動を開始した(大紀元)
北京直訴村はもうじき過去の歴史となる(大紀元)