【大紀元日本9月12日】9月初め、中国『法制週報』紙は北京市、上海市、広東省、湖南省、吉林省、5つの省や直轄市に居住する裕福層53人を対象に、社会治安や身の周りの安全などについて、無作為に電話調査を行った。調査結果によると、中国の富豪は、社会全体の治安に対して基本的に満足しているにも関わらず、身の回りの安全について満足していなく、防衛グッズの購入や身の警護に当たるボディーガードの雇用などに巨額な資金を費やしていることという。また、同調査によると、国家制度、法律、メディア報道と社会世論が中国富豪の安全感に最も影響を与えやすいという。
富豪を対象とする犯罪が頻発
周さんは今回電話調査を受けた一人で、北京でレストランを経営している。調理師だった周さんは1992年に四川省成都から上京し、地元四川省の伝統料理を届けるレストランを開いた。2006年年末まで、周さんは計6軒の四川料理と湖南料理のレストランを所有し、個人総資産は1億元(約15億円)を超えた。
「万が一の事態」を防ぐために、周さんは普段外出するときに、警護に当たる二人のボディーガードを付けて同行する以外に、猟銃を二挺も備えるという。周さんの身の安全への警戒は、多くの中国富豪の心にあるセキュリティーへの不安を表している。
近年、中国各地で裕福層を狙う犯罪事件が相次いでいる。8月末に、周さんの出身地である四川省広元市では、一人の富豪が所有する乗用車を乗ったままで爆弾の爆発で殺害された事件が起きた。この事件を受けて、家族だけではなく、周さんも自らの身の安全に不安を感じ始めたという。周さんは、「金持ちの誰かが殺されたとかの報道を耳にするたびに、私は複雑な気持ちになるのです。(報道を聞いて)よかったと思ったのは、このような情報は素早く私のほうに伝えてきたことです。憎むのは、(報道によって)私の家のセキュリティーや身の安全に対する自信を打撃されたのです」と話した。
周さんは、ビジネス上の競争が激しくなったことで、以前他のレストランの経営者に脅かされたことがある。そのため、周さんは密かに身の安全を確保するために、警備や警護を強化し始めたという。
高い給料を支払い、ボディーガードを雇う
2003年、周さんは月1万元の給料を支払うとの条件に、武術を優れている元軍人を乗用車の運転手として雇い、また、2004年5月にも同様に武術堪能な元軍人をボディーガードとして雇用した。2005年7月、周さんは高級車ーベンツを所有しているにもかかわらず、「最も安全な自動車」といわれているVOLVO (富豪)S80の車を購入下。2006年9月、周さんは一人の特殊部隊に所属する元警察官を雇い、保育園に通う周さんの3歳になった息子の警護に当たらせた。さらに、2007年8月に、周さんは二人のボディーガードに水平二連式猟銃を購入した。
また、周さんは安全のために、防弾服、高圧電撃棒、強光懐中電灯、赤外線暗視ゴーグル、高効能携帯通信機、手錠、軍用ナイフ、膝や腕や肩を保護する鋼製防犯グッズなど、様々な種類のセキュリティー防犯グッズを購入した。それらの防犯グッズを購入するために、周さんは約1万米ドル(約114万円)を投入した。中に、防弾服だけ、約5000米ドルを費やしたという。このような多額な出費にかまわない周さんは「もし、誰かに刃物で切られたら、その時払わなければならない医療費はそれよりも多額になるに違いない」と話している。その他の富豪たちも、周さんのように身の安全、防犯のために購入した防犯防衛グッズは北京に居住する富豪なら、皆所有していて、「普通の装備」に過ぎない、と話す。
周さんはボディーガードがいないときに、家に留まるか、あるいは車を運転しないで、徒歩でスーパーなどに行くかにしているという。徒歩でスーパーに行くとすれば、彼は目立たない普通な格好をし、財布には現金をあまり入れずに、さらにクレジットカードなどを人が分からないように身体に隠すなどのことに注意しているという。さらに重要なのは、周さんが一人で運転し外出することは滅多にないという。
「この国は安全だと感じながらも、身の安全を心配している。しかし、このような矛盾があっても、私はやはり楽しみを見つけなければならない。でなければ、生活が面白くなくなるのだ」と話す周さん。