米で中国製タイヤリコール問題、中国当局、品質問題なしと主張

2007/07/22
更新: 2007/07/22

【大紀元日本7月22日】米国運輸安全当局が中国製タイヤ45万本のリコールを決めた問題で、中国国家質量検査総局の政府関係者は、米に問題とされる同中国企業の製品は、米国基準に達していると反論した。

BBCの報道によると、中国の政府メディアは7月18日、国家質量検査総局検査司の王新・司長の発言を引用し、「米国側がタイヤのリコールを宣言した後、中国関連当局がメーカーの杭州中策橡胶有限公司(下略、中策公司)のタイヤを検査・測量した。品質問題はまったくない。中国が国外に輸出するタイヤは、全部現地の基準に従い、製造している」と発言した。

米国のタイヤ販売会社(FTS社=本部・米国ニュージャージー州)が6月11日、米政府機構・全国幹線道路交通安全管理局(NHTSA)に報告書を提出、同社が輸入した中策公司製造のトラックタイヤが安全問題を存在、走行中に、タイヤが破裂する危険性が高いと報告した。その後、NHTSAは、FTS社に対し、米国国内で販売済みの45万本の同品番のタイヤのリコールを命じた。

昨年8月12日、乗客3人と運転手1人を乗せたシボレーのワゴン車がペンシルバニア州の476号国道で走行中、タイヤが破裂、ワゴン車が制御不能となり、横転した。乗客3人は全員車外に放り出され、2人が即死、1人は重傷で脳挫傷を負った。運転手だけは放り出されずに、比較的軽傷で済んだ。

事故被害者の代理弁護士は、「我々は米国の一流タイヤ専門家に依頼し、事故を起こしたタイヤを徹底的に検査した。約9ヶ月の時間を要し、325ページに及ぶ訴訟資料を提出した」と述べ、「杭州中策橡胶有限公司が故意に且つ密かにタイヤ製造で安全性能を施す工程を省いたことが、二人の若者の死をもたらした直接の原因となった」とした。

また、昨年5月、ニューメキシコ州でこのメーカーのタイヤを装着した救急車が走行中にタイヤが破裂したため、横転する事故が発生した。

FTS社は5月末に、杭州中策橡胶有限公司が契約に違反したとして米国ニューアーク地方裁判所に告訴した。AFP通信によると、FTS社は同中国メーカーに8千万ドルの損害賠償を求めているという。

同中国メーカーの瀋金栄・総裁は、事件を知った後、調査を行ったと話し、事故車両に装着する4本のタイヤの直径、厚さが異なるのを発見と反論、FTS社の報告書と米国メディアの報道は事実に基づいていないと非難した。中国メディアも同様な内容を報じた。

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