【大紀元日本7月15日】北京で発行している隔月刊英国NGO刊行物「チャイナ・ディベロップメント・ブリーフ(China Development Brief)」の創刊者ニーク・ヤン氏は7月11日、同刊行物の中国語版がすでに北京当局に閉鎖され、本人も国外へ追放される恐れがあると明らかにした。
「チャイナ・ディベロップメント・ブリーフ」は米フォード基金会および香港コミュニティの共同出資によって、中国非政府団体(NGO)の動きおよび発展について報道する専門誌であり、中国語版および英語版がある。英語版はすでに12年間にわたり発行されており、中国語版も8年間の発行を行っている。情報筋によると、今回は中国語版が閉鎖されたという。
1週間前に北京市の公安12人が同刊行物の編集部を訪ね、同誌の創刊者ヤン氏に対して、「権限を受けていない民間調査を行った」と譴責した。
米シートン大学の楊力宇教授は北京当局が同誌を閉鎖したことを分析した。楊教授は3つの理由が考えられるとし、①秋に開かれる十七大の前に、中共当局は如何なる重大な問題発生もあって欲しくない。②中国は「社会安定」に影響を与えることを恐れている。③創刊者は自らの角度からの見解は非常に穏和で理性的かつ建設的であるが、中国当局はそうみていない。中国共産党はこれまでに、定期的で系統的な批判および暴露は認めていない。特に当局の暗部についての批判はなおさらだ」と分析した。
楊教授は、同誌がNGOの動きを報道する専門誌であるが、しかし、中国当局は本当の非政府団体を決して許さないのが根底にある理由だと指摘した。
楊教授は、「中国はNGOを許さないのだ。ロシアですらNGOを許されていない、いくら民主的になったと言っても認めていない。ましてや一党専制の中国は容認できるはずがない。共産党は公民社会の概念がなく、せいぜい多少緩めるだけで、最終的には一党専制なのだ。一党専制だけではなく、永久に執政するのだ。多くの人は十七大のときに新しい状況の出現を望んでいるが、政治改革は少しあっても、最近の一連のことからみて、新しい状況の出現の可能性は殆んどない」とコメントした。
米ボール・ステイト大学(Ball State University)の鄭竹園教授は、北京当局が同誌を閉鎖した理由は、同誌が異議人士と同様な性質を持っていることを恐れているとみている。さらに、今回の閉鎖決定は上層部が下したものではないと指摘した。鄭教授は、「内部の矛盾、管制する者および中央上層部は必ずしも意見が一致しているではない。温家宝らはこのような態度を取っていないにしても、刊行物を主管する者は厳しい態度を持っている可能性がある。従って、内部における各政策は一致していない可能性がある」と分析した。
一方、創刊者のヤン氏は「失望している。中国で長く生活していることから、ここにある多くのものが自分の大切なものになっている。中国はこれまで歩んできた種々の状況に対して、常に同情および楽観的な態度でみているのだ。今回の出来事に憤りは感じていないが、ただ残念に思っている」とコメントした。