【大紀元日本5月18日】EU(欧州連合)と中国当局間の人権対話の前日にあたる5月14日、欧州法輪大法学会はベルリンのブランデンブルク門前のパリ広場で集会を開いた。対話内容の公開を求めたほか、対話で中国の人権状況を取り上げることなどを呼びかけ、また、中国共産党による中国民衆への人権侵害を公に譴責するよう欧州連合に求めた。
欧州議会のスコット(Edward McMillan-Scott)副議長は集会で講演を行った。同副議長は5月15日-16日にベルリンで開かれる欧州連合対中国当局の人権対話に参加する予定。彼は演説の中で、去年5月に中国で人権迫害の現地調査を行った際、法輪功学習者を狙った臓器狩りを証言する関係者と接触したことを挙げ、カナダ独立調査団の臓器狩り調査報告書は絶対な信憑性を有していると示し、人権を著しく侵害する中国当局は2008年北京五輪を主催する資格がまったくないと再度強調した。
スコット副議長は、「皆さんに明白に伝えたい。2008年北京五輪は絶対に中国で開催すべきではない。少なくとも国連の人権特別調査官による中国共産党(中共)の拘留センターや、強制労働収容所、監獄および警察局への独立調査が許可されるべきだ。また、私は今週中に開かれる欧州連合対中国当局の人権対話は一時中止すべきである」と述べた。
また、同副議長は国際社会に対し、法輪功の支援を呼びかけ、中共の崩壊は避けられない現実を見極めるべきであると指摘、「中国は独裁かつ野蛮で、残忍な政権に統治されている。信仰への迫害が中国共産党政権の崩壊を導く可能性が高い。宗教が東ヨーロッパでの共産党体制の解体を誘発したと同様である。我々はいま、欧州分裂の象徴だったベルリンの壁の前に立っている。今こそ千人、万人、いや百万人以上の強制労働収容所に監禁されている中国人を救うために、中国共産党政権の早急の崩壊を願っている。世界の他の国々も、中国共産党から最も深刻な迫害を受けている法輪功学習者を支持すべきである」と呼びかけた。
スコット副議長は、中国人の自由のために奮闘すると強調、「私が発言している今日でも、高智晟・人権弁護士や、牛平さんの妻(張連英さん)と曹東正さんなどが悲惨な迫害に耐えている。私は彼らのために、国連の最高機関や、欧州連合のブリュッセル当局、および各国政府に対し、引き続き呼びかけを行う」と話した。 張連英さんと曹東都さんは法輪功学習者である。高智晟・人権弁護士は法輪功への集団迫害の中止を懇願するために、中国最高指導者に3回にわたり公開嘆願状を進呈した。そのため、本年8月に秘密逮捕され、12月に「国家転覆罪」の罪で有罪判決を受け、いまも監視下に置かれている。
欧州法輪大法学会副会長・呉文_xin_氏によると、法輪功学習者らは3日間の嘆願活動を行う予定で、活動を通して、欧州連合に対し、中国当局による法輪功への集団迫害の中止を促すことや、公開する人権対話を行うこと、迫害を受けた法輪功学習者の証人喚問などを要請していくという。
国際人権組織のカール・ハーフェン(Karl Hafen)執行主席は、「中国では死刑や、拷問、強制労働、迫害およびその他の人権侵害は絶えず進行しているため、中国当局と非公開の人権対話を行うべきではない」と述べた。
世界公民組織の主席で、駐国連代表レネ・ワードロ(Rene Wadlow)氏は法輪功学習者宛の書簡の中、「私は『真・善・忍』の精神理念に基づいて、貴方たちが国内で迫害を受ける法輪功学習者を救出する活動の中で、貴方たちと肩を並べて支援していく…法輪功への集団迫害を制止することは、人権の価値を尊重する必要不可欠な一歩である」と書き記した。
また、集会には、スイスの国会議員オスカー・フレシンガー(Oskar Freysinger)氏や、中国自由文化運動などの人権組織から激励のあいさつが届けられた。激励文には、1996年から始まり、11年間経過した欧州連合対中国当局の人権対話は、実質的な進展がみられないことを指摘、中国共産党は自分たちが犯した人権侵害の犯罪を認め、陳謝すべきとし、「そうしなければ、このような人権対話を継続すれば、我々の偽善と臆病により、中国当局の共犯者となってしまう。そのため、欧州連合はこのような非公開な人権対話を中止するのが先決」と強調した。