【大紀元日本4月11日】 中国政府のデータによると、中国国内で正式登録する非政府組織の受け入れを迅速に進めているとしているが、それらの資料を検討してみると、中国国内で正式登録した非政府組織の数は実際に存在する数の十分の一にも満たない。環境保護組織でさえも同様で、非常に難局に立たされているという。ラジオ自由アジア(RFA)が報じた。
中国では法律上、非政府組織の独立的な存在は不可能である、政府の許可した関連業務を主管する機関に付属することが登録の条件。アジア週刊によると、研究データでは、中国国内において、現在各種の民間組織は約300万団体に達し、そのうち正式登録したのはわずか30万団体。政府資料によると、2006年末までに、中国国内の環境保護民間組織は約2768団体、就業者数は22万人に上るという。中国の非政府組織の発展と現状について、中国語政論誌・北京の春(本部米国ニューヨーク)の総編集長・胡平氏は以下のように語った。
「90年代後、中国で非政府組織が続々と現れた。まずは環境保護組織である。これらの組織は中国社会の全体に積極的に働きかけた。一部は人権抗争の役目を果たしている。多くの組織は専門性を持ち、かつ非政府組織である。しかし、中共政権はすべてを管理するのが前提で、すべてを管理できたとしても、まだ不安でしょうがない。そのため、これらの民間組織は多くの妨害を受けてきた。長年の困難な道のりを経て、多くの組織は自分たちの発展する余地をすこしずつ確保してきた。政府の政策決定にも一定の働きをもたらした。しかし、現時点までに、中国国内の非政府組織の存在状況は非常によくない。最大の原因は、合法的な地位が保障されていないからだ」。
また、胡平・総編集長は非政府組織が中国国内で多くの制限を受ける原因について、以下のように分析した。
「根本的な理由は政権の独裁的性質にある。欧米国家の非政府組織の発展は比較的順調である。その原因は、政府がオープンであるからだ。多くの非政府組織、場合によっては政治的な組織、各種の圧力団体、利益団体、政党も数え切れないほど存在する。そのほかでは、中国の政治が民主制ではないため、国民には基本的な表現の自由、集会・結社の自由などはない、しかし、非政府組織は一種の結社である。この点からいうと、非政府組織の存在意義は、国民の結社の自由にある。しかし、政府の疑心暗鬼を引き起こしてしまうため、両者の緊張関係はしばらく続くはずだ」。
アジア週刊の報道は、「合法的な保障がない中、中国の環境保護組織はこの十数年、絶えず自らを強化し、自らの主張を発することに努力し続けてきた」と評価、中国の環境保護の過程において、益々重要な役割を担っていると指摘し、実例を挙げて説明した。たとえば、2004年、民間の専門家が、北京の歴史的建造物「園明園」での湖の底の漏水防止工事は、生態環境を破壊すると主張したことで、国家環境保護総局は公聴会を開き、民間の環境保護組織も討論に参加した。結果、この工事の施工方法が修正された。「緑家園」というNGO組織は、巡回展示や、国外での呼びかけなどを通して、怒江でのダム建設に反対し続けた、これらの活動が功を奏し、このダム建設の計画が中止された。
米国在住の中国人作家・鄭義氏は長年、中国の環境保護問題に関心を寄せている。同氏は、民衆の真相を知る権利と監督する権利は、環境保護には非常に重要だと指摘し、以下のように見解を述べた。
「すべての人は共産党一党独裁問題を論じる際に、必ず政治迫害と全世界共通の人権理念を言及する。しかし、中国の状況は非常に特殊である。いわば、史上初の特殊な現象に遭遇している。我々の環境権利は前例のないほどに壊滅的な状況である。自由経済の社会で、国民が監督権利を有している民主国家では、このような情況の出現はあり得ない。中国という封鎖されている社会では、権力を握る者たちが明らかにできない利益のために裏工作し、このような破壊的な進展が現実となっている」。
また、「博訊ネット」の報道では、「中国の現有政策が制限する中、国内の大半の非政府環境保護組織は、資金集めの正規ルートが乏しい。作業も合法性などの問題で難問が山積み。7割以上の非政府環境保護組織は、安定した資金源がない。6割は事務所すらない。4割以上の従業員は給料をもらえない上、福利厚生などの保障もない。淮河の汚染問題を解決したという虚偽の政府宣伝を暴露するために、民間の環境保護活動家・霍岱珊氏は自費で10万元(約17万円)を出資し、淮河流域の汚染状況を詳細に調べ、映像に記録し真相を暴露した。そのことが中国全国を震撼させた。2003年霍岱珊氏は、「淮河衛士」という非政府組織を登録、環境保護ボランティア千人あまりが集まった」と伝えた。
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