【大紀元日本3月28日】(再掲載)世界自然保護基金(WWF)は、最も深刻な枯渇の脅威に直面している10大河川の一つとして長江を挙げ、外来種の侵入、汚染、貯水、気候の温暖化等が、河流の生態環境に脅威を与えている4大元凶であると指摘し、長江の水危機に関する問題が再び世界の関心を集めることとなった。今年初め、湖北省沙市における水位は、マイナス0・77メートルとなり、過去142年間で最低の記録となった。
香港「文匯報」の報道(22日)によると、昨年、重慶は50年に1度の大干ばつに遭遇したが、その際、民衆は長江の水不足を直感的に認識した。近年、長江流域の多くの地区が深刻な干ばつ、特大の干ばつの襲来に見舞われている。今年1月3日、湖北省沙市における水位はマイナス0・77メートルとなり、過去142年間で最低の記録となった。
報道によると、昨年7月、長江は増水期に入ったが、上流からの水は、往年の半分余りしかなかった。「水が溢れない洪水」の後、長江に恐ろしい局面が現れた。8月中旬、宜昌、枝城、沙市、石首等の水文調査所において、歴年の同時期ベースで最低の水位が観測された。
昨年11月、江西省一部を流れる河流において、過去50年で最低の水位となった。宜昌調査所が観測した水量は、昨年全体で、2844億立方メートルで、1877年以来の実測資料で下から第1位、過去130年で最低の水位となった。
報道の指摘によると、長江流域で最も重要な2つの天然湖もまた、枯渇に遭遇している。「長江之腎」と称される洞庭湖は、過去30年で最も低い水位となった。また、中国第一の大淡水湖である鄱陽湖は、現在、過去50余年来の最低水位を記録し続けており、現在、水位は7メートル前後を維持するばかりとなり、既に史上最低水準に接近しつつある。
中国長江流域水資源保護局研究員・翁立達の指摘によると、この半世紀余りにおける長江流域の湖の「痩身」ぶりは顕著であり、消滅した湖の面積は約3000平方キロで、湖の数は半分以上減少している。
長江の水不足が単独の事例ということでは決してなく、深刻な水不足の危機が、現在、中国に対する脅威となっている。専門家の統計によると、2030年に中国は水不足のピークに到達する。中国水利部長・汪恕誠氏はこのことを強く憂慮しており、彼の見解によると、中国の水不足による危害は、水害のそれよりも深刻であるという。