台湾:馬国民党党首、藍・緑の対立解消提案、陳総統は歓迎

2007/01/07
更新: 2007/01/07

【大紀元日本1月7日】台湾最大野党の馬英九国民党党首は、国民党の中央常務委員会でこのほど、藍(国民党)・緑(民進党)両党は、2300万人の台湾国民と共に運命共同体であるとし、両党の和解と協力は、国民党と中国共産党(中共)の協力より優先すべきであると主張し、民進党と中国との関係作りに協力する意向を発表した。これに対して、藍・緑両党内部の論争を引き起こし、人々の注目を集めた。中央社が伝えた。

内部の論争に対して、馬党首は1月2日に、最大野党として理性をもって与党を監督し、政策を問うべきであり、反対のための反対をしてはならないとし、藍・緑両党対立を越えて、与野党の和解がなければ、台湾の安定も望めないと説明した。実際、国民党は立法院が現在扱っている多くの法案に対して、この方向で対処しているという。

これに対して、陳水扁・台湾総統は4日、2年前に連戦・前国民党党首および同党のスポークスマンは、「国民党は中共と共に台湾独立を制止する」「国民党と民進党の和解はなく、闘争のみだ。和解は国民党と中共しかない」との発言があったが、これと正反対の馬党首の提案こそが、絶対的大多数の台湾人民の望んでいることであるとし、同提案を歓迎した。

一方、馬党首が民進党と中共との関係作りに協力したいことに関して、コメントは控えた。陳総統は、もっとも重要なことは、台湾内部での共同認識を持つことであるとし、与野党が両岸議題に対して異見が多すぎれば、協力体制への展開は難しいとした。陳総統はさらに、如何なる政党も政府の公権力を勝手に取って代えることはできないと強調した。

陳総統は、両岸の和解および対話は主権、民主、平和、対等の4大原則に沿い、主権原則は必ず尊重し、受け入れ、台湾の存在および台湾が主権国家である事実と現状を重視しなければならないと、これまで主張してきたことを繰り返し強調した。陳総統は、台湾の未来と両岸関係の方向は、必ず台湾人民の自由を尊重し、台湾で起きる紛争や両岸の異見に対して、必ず平和的な対話による解決が望ましいとし、武力またはその他非平和的な手段で解決を臨んではならないと主張した。

これに対して、国民党スポークスマンの黄玉振氏は4日、和解は双方向であり、未来は理性的な中庸路線に沿い、民進党との協力関係作りになると共に、陳総統が同提案に対する歓迎に感謝の意を述べた。

黄氏は、両党の協力関係はこれまでにも沢山あったとし、政権交代後の6年余り、立法院は13の会期を経て、合わせて985件の法案が順調に通過しており、対立意見のある法案は実質上十数件しかないとした。黄氏は馬党首の言葉を引用し「国民党と民進党の間にギャップがあっても、国民党と共産党の間のギャップには及ばない」と両党の協力成果を称えた。

一方、馬党首は4日、国家経済発展の要素として「3定」を挙げ、政治が「安定」し、政府も「安定」し、政策が「確定」している必要があると主張し、両岸政策において、共存共栄、互いにメリットを生かし、積極的に経済交流を進めることで、双方が成果が得られるものでなければならないと強調した。

情報筋によると、国民党陣営の調整が始まっており、馬党首は親民党と新たな協議達成を望み、陣営の拡大を図ることが明らかになった。