ロサンゼルス・タイムズ紙:死刑囚からの臓器摘出認めた中国、世界随一の死刑大国

2006/11/23
更新: 2006/11/23

【大紀元日本11月23日】ロサンゼルス・タイムズ紙は11月18日、これまでに死刑囚より臓器摘出することを否認し続けてきた中国共産党(中共)はこの頃、臓器移植手術用の臓器ほとんどは死刑囚からのものであることを認めた上、臓器移植を受ける患者は長期にわたり自国で臓器を待ち続けることができない外国人が大金を支払っている現状を報道した。

一方、中国日報英文版の16日報道では、中共衛生部の黄潔夫・副部長は11月14日に、広州で開かれた外科医会議で、「移植用臓器の出所は、少数だがごく一部分が出所不明で、ほとんどの臓器は死刑囚からのもの」と発言した。このことは、ここに十数年間、多くの雑誌やインターネットで問題になっている死刑囚からの臓器利用問題が「公然の秘密」であることを裏づけたものになった。

しかし、中共側は毎年処刑される死刑囚の数は明らかにしていない。アムネスティ・インターナショナルによると、中共当局が発表した死刑囚の数について、2005年のみでは、少なくても1770人が処刑され、全世界合計死刑囚の2148人の80%を占めたという。専門家たちは、実際の数字は数万人に上るかも知れないとみている。また、中国の処刑数に比べ、米国の死刑囚は毎年わずか60人しか処刑されていない。

ロサンゼルス・タイムズ紙の報道によると、臓器移植手術を受けるために中国へ渡航した外国人の内、米国人もいるという。例えば、カリフォルニア州ノースリッジ市のマベル・ウー(69)氏は、今年の7月にカリフォルニア州立大学ロサンゼルス分校腎臓専門科医師ガブリエル・ダノビッチ氏の忠告を振り切り、広東省東莞(トングァン)市太平人民医院で腎臓移植を行った。ダノビッチ氏は、「中国の臓器提供者の情報や、当局が実際に提供者の同意を得ているのかなどの問題について疑問が残る」と語り、中国側の医療サービス体制に懸念を示した。

一方、今年7月にボストンで開かれた臓器移植国際会議で、中国臓器移植の担当医師・陳忠華氏は、中国では2005年に合計8102件の腎臓移植、3741件の肝臓移植、80件の心臓移植手術が行われたと明らかにした。専門家たちは、中国では90%以上の臓器が死刑囚からのものであるとみている。

実際、中国の臓器移植市場の活況について、近年海外各界から問題視されており、特に法輪功の学習者らによる告発が最も大きい。その理由の一つとして、今年7月、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏およびカナダ政府元高官デービッド・キルガー氏が発表した調査報告で、中共当局が過去6年間、法輪功学習者から心臓、腎臓、肝臓および眼角膜を摘出し、高額で外国人へ販売していることを指摘したからである。

1週間前に、中共当局は多くの外国人が旅行者として中国入りし、中国国内で臓器移植手術を受けていることを認め、病院側が渡航移植者の受入を禁止する方向で検討しているという。中共政府側の報道数字によると、中国では年間200万人あまりが臓器移植を必要としているが、そのうちわずか1%の人しか臓器移植手術を受けることができない。しかし、高額な金額を支払う外国人は数日から、数週間の内に必要とする臓器を入手できるという。