【大紀元日本10月31日】米ワシントンに本部を持つ非営利団体『公共性保全センター(The Center for Public Integrity)』が先月発表した調査報告書によると、中国当局と香港地区は、米国議会の関係者に圧力をかけるため、巨額な金を投じて著名なロビイストを雇っているという。ここ十年間に中国当局が投じた金額は、約1900万ドルに達している。
同機構に所属するボブ・ウィリアムズ(Bob Williams)氏と、マリーナ・グエバラ氏が発表した「China Steps Up Its Lobbying Game」と題する報告書は、「中国当局は米国の有名な大手広報会社、例えば、WPP社(WPP Group Plc.)や、パットン・ボッグズ社(Patton Boggs)などに業務委託し、米国政界への働きかけを強化している」と強調した。
ウィリアムズ氏は報告書の中で、「我々は宣伝機構ではなく、また如何なる政党も代弁していない。 中国国有企業が米石油大手ユノカル社を買収しようとする事態があったが、それが我々の注意を引き起こした。それをきっかけに、中国当局による米国政界へのロビー活動に関する調査、研究を始めた」と述べている。
ウィリアムズ氏はワシントン・ポスト紙の軍事や国家安全問題に関する報道責任者。同氏は、著書「敵:米国の敵は国家機密をどうやって盗んでいるのか、また、米国はどうやってこのようなことを発生させたのか」(ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・ランキング一位)で、中国当局を「NO.1のスパイ国家」としてリストアップしている。同書の中でウイリアムズ氏は、米国には中国当局の息がかかった「前線企業」が情報収集に暗躍しており、その数は3千社以上に上ると警告している。
また、日本で9月下旬に発売された「SAPIO」誌は、中国当局による対日本政界、産業界への「裏工作」を暴露している。中国当局は女性、金、場合によっては臓器提供などで取引を行い、日本政界に「親中派」勢力を構築、多大な影響力を及ぼしているという。