中国工商銀行[ICBC.UL]は23日、上海証券取引所で15%のグリーンシュー・オプション(オーバーアロットメント・オプション)を行使すると発表した。香港市場でも同オプションが行使されれば、香港と上海に同時上場する世界最大の新規株式公開(IPO)による調達額は最大219億米ドルとなる。中国本土の証券取引所で同オプションを実施するのは中国工商銀行が初めて。
アナリストらは、同行が上海の後に香港でもオーバーアロットメント・オプションを行使するとみている。
上海証券取引所でのA株(国内投資家向け株式)の公開価格は仮条件の上限の3.12元、香港取引所でのH株(中国本土企業株)も上限の3.07香港ドルに決まった。
同行と主幹事が共同発表した声明を基にロイターが算出したところによると、同行の上海市場での調達額は466億4400万元(59億米ドル)で、これまでの最高だった中国銀行(601988.SS: 株価, 企業情報, レポート)(3988.HK: 株価, 企業情報, レポート)による上海での調達額200億元をあっさりと更新することになる。
香港で同様の追加売り出しオプションが行使されれば、H株の公開株数は407億株、1250億香港ドル(160億米ドル)となり、総調達額は219億米ドルに達し、1998年に現NTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)が調達した184億米ドルを抜き、世界最大になる。
中国工商銀行は声明で「応募状況や発行体の資金需要を踏まえ、われわれはオーバーアロットメント・オプションを行使することを決定した。これにより、(上海での)公開規模は合計で149億5000万株となる」と述べた。
[上海 23日 ロイター]