【大紀元日本10月8日】安倍晋三首相の中国共産(中共)党政府上層幹部との会談は当初、11月18、19日に、ベトナム・ハノイで開かれるアジア太平洋経済協力第14回首脳会議の際に初めて行われると予測されていたが、首相は10月8日に早々と訪中の日程を決めた。香港のアジア時報は、10月22日に行われる衆議院の補選に関係すると報じた。
アジア時報によると、神奈川県および大阪の補選結果は2007年夏の参議院改選の民意を示すものとみられる。近年、小泉前首相を除き、日本首相の殆どが国会での選挙失敗が首相失脚のきっかけになっているといわれる。
2004年7月の参議院改選時、民主党は50議席で49議席の自民党を打ち負かした。当時の結果は、民衆が小泉政権の年金制度よびイラクへの自衛隊派遣に不満からもたらしたとみられる。今度の選挙は自民党が再び負ければ、戦後最年少の安倍首相は、指導者としての力がないと非難される可能性があることから、補選前に成績を上げたいとみられる。
アナリストらによると、内政において、首相は短期間で成績を作り上げる課題はなく、唯一の選択肢として、小泉前首相が残した日本のアジアにおける孤立した外交局面を打開することであるとし、小泉前首相が作られた枠を打ち破る機会でもあるという。これが、何故首相が8、9日に中韓両首脳と会談する本当の理由であると分析している。
安倍首相はこれまでタカ派とみられていたが、首相は2日の国会衆参両院の答弁の中で、村山前首相が1995年に発表した声明を引用し、「日本の植民支配および侵略は多くの国々に、特にアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」と述べ、軟化態度で訪中の機会獲得を試みた。しかし、靖国神社参拝問題において、これまでと同様に態度は明確にしていない。
また、日本のアジア外交の難局を打開するために、政府は来年の初めにインド、ベトナムと「東アジア経済協力関係協定(EPA)」の推進を進めると示唆し、インドとベトナム首脳は年内に訪日し、首相と協定についての会談が行われる予定という。
一方、中共政府にしてみれば、北京側は安倍首相の訪日に対して、譲歩したと言えよう。胡主席はこれまで「脅かされれば、それ以上に脅かし返す。すかされれば、それ以上に相手をすかす」のやり方から、胡主席にとっては、一定の政治リスクを負っているが、安倍首相が軟化態度であれば、中共側も軟化態度で応じる構えだ。しかし、日本政府の対応に、中共から見て行き過ぎた言動や行為があれば、中共側が強硬な態度で対応することも度外視できないとの見方も示されている。
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