世銀予測:中国語、英語に代わり共通言語に

2006/09/28
更新: 2006/09/28

【大紀元日本9月28日】世界銀行はこのほど、中国語英語に代わって国際社会の共通言語になると予測した。報道によると、中国語は世界各地で英語以外の最も人気がある外国語となっている。統計によると、世界では現在3千万人が中国語を学び、その数は増加の一途であるという。

米国を巻き込む中国語ブーム

アメリカ大統領ブッシュ氏は今年1月、米政府が1・14億ドルの資金を投下して外国語学習を奨励する計画を公表した。その目標は、米国の学校で中国語とアラビア語を含む「重要言語」を教える授業数の増加。中国語はすでに米国にとって「国家安全と米国の競争力に関わる言語」において重要な外国語の一つになっている。

「ワシントン・ポスト」8月26日付けの第一面報道では、英語が長年にわたり「世界の言語」になっているが、米国人は現在、外国語教育の重要さを始めて意識しているという。外国語教育に関する研究基金、教育計画などが大量に現われた。現在、グローバル化した競争の中で外国語がいかに重要かを意識しているようだ。経済学者は、この重要さは中国語教育においてはなおさらであると主張した。

首都ワシントンDCでは中国語の授業は珍しいことではない。今年秋、メリーランド州で3分の1強の公立学校が中国語教育を設けたが、この数字は昨年の倍だ。

中国語の勉強を通じて子供に中国文化を学ばせているのはこれまでアジア系の保護者だったが、現在は多くの非アジア系家庭が子供に中国語を勉強させている。

米国アジア協会の教育執行主任Michael H. Levine氏が「中国語は学生にとって主要文化であり経済の未来でもあることに、人々はようやく気づき始めた…この原動力は国防部門と政府機構以外に、一般家庭の保護者の関心も大きい」と語った。

「ウォールストリート・ジャーナル」によると、米国下院は外国語成績の評価で、中国語を超高難度言語の一つとされたが、複雑な文字と混同しやすい4声などの発音の問題があっても、中国語学習熱に影響していない。米国言語学校研究センターの調査によると、現在米国で少なくとも600校の大学が専門な中国語授業を提供し、2000余りの小中学校はすでに中国語を選択科目にしている。また、中国語授業を設ける幼稚園もあるそうだ。

カナダの中国語ブーム

資料によると、主要先進国の中で、カナダ人が中国で中国語を学ぶ人数が最も多い。 中国教育省の公開資料によると、2005年中国で中国語の勉強するカナダ人は1413人あり、2004年に比べ17%上昇した。

カナダ国内でも中国語学習がブームになっている。中国語を学ぶ学生は老若問わず多く、トロント大学持続教育学部中国語課程の履修申込数は、順番を待たないといけないほどだ。

トロント教育局は2005年度に初心者と中学生向けに計252箇所の中国語初級クラスを開いたが、2002年には50箇所しかなかった。さらに2006年度に中国語クラスは最も人気がある国際言語で、クラス数は344まで増える見込みだ。

トロント教育局のパパトパラス氏は、中国語クラスに申し込む非中国系の学生が増えていることについて、「当初は、ロシア、ギリシア系学生が中国語を学ぶのは難しいのではないかと心配したが、学生たちは中国語におおいに興味をもって学習している」と語った。

中国語クラス増加が著しい欧州各国

中央社7月15日の報道によると、英国ブライトン学院は今年9月から中国語を必修科目にした。同国では初めての中国語の必修化。

同学院ケインズ校長は、「学生が中国語と中国文化を学ぶことは、学生にとって大きなメリットがあり、21世紀のさまざまな現実に対応できるように学生は事前にいろんな準備をするべきだ」と語った。

英国で中国語学習を奨励する学校はブライトンだけではない。最も多くの中国人が集まる首都ロンドンには、40の小学校が中国語学習プランを展開している。2000年~2004年の間、英国の中国語上級試験の受験者数は57%も増えた。

報道によると、フランスの中学校では実験的に中国語とフランス語の授業が併行して行われている。全国で100校余りの小中学校で中国語授業が行われている。また、100校余りの大学に中国語授業が開設されている。

他の欧州言語に比べ、中国語クラスの増加率が群を抜いて高い。英語、日本語、スペイン語などのクラスの年成長率はおよそ2~4%だが、中国語は38%も増加している。

ドイツで中国語を勉強する人数は近年数倍も上昇、増加率は5倍を上回った。多くの地方政府は更に中国語を中学校卒業試験の外国語選択科目にした。

「漢流」ブームが高まるアジア各国

報道によると、ここ数年、韓国では中国語学習が盛んで、メディアが「漢流」と称するほどだ。 韓国は現在120校余りの大学と40校余りの短大、260校余りの高校で中国語授業が行われおり、一部の小学校では「中国語特別クラス」も開いた。韓国の各種学校で中国語を勉強する人数は16万人を上回り、この数字は5年前に比べ66%増えた。

日本の多くの大学、高校でも中国語授業を開いている。高校だけでは500校余りが中国語授業を開いて、2万数名の高校生が中国語を学んでいる。経験のある中国語教師は各学校の「売れっ子」になった。1993~2005年で、日本の中学校での中国語課程は2倍に増えた。

中国ラジオ放送ニュース7月28日の報道によると、マレーシア東部のサバ省では中国語とアラビア語を警官の必須学習言語にした。

中央社7日の報道によると、シンガポールで中国語勉強が流行っている現在、シンガポール南洋理工大学とシンガポール国立大学の中国語学部は人気であるという。昨年、中国語学部を設立したばかりの南洋理工大学では、今年中国語を専攻にした学生は去年より30%増加した。

南洋理工大学中国語学部副学部長・柯思仁助教授は、人々がますます中国語を重視しているので、中国語学部の発展に期待を寄せている。

中国語学部が開設されて26年間経ったシンガポールの国立大学にも中国語学部が充実し、学部長の李焯然助教授は同様に中国語学部の将来性に期待を抱いている。 李助教授によると、政府はここ2、3年来、中国語学習を重視しており、中学校(高校)で英語と中国語を同時に履修した学生が大学に進学していることから、学生に中国語の興味を持たせる効果が現れ始めていると言う。

(記者・辛菲)