【大紀元日本9月23日】国連人権理事会第2次人権報告会が9月18日、スイスのジュネーブで開かれ、国連特別調査員らは、シンガポールで発生した法輪功学習者に対する差別と迫害を注目するように呼びかけた。法輪功学習者の代理弁護士が国連人権会議に出席することを阻止するために、シンガポール当局はこの弁護士を精神病院に入れて拘禁しているという情報もあるという。
国連特別調査員の呼びかけ
今回の国連人権報告会は、主に特別調査員らが各自の領域での人権問題について年度報告を行うもの。会議では、中国大陸の法輪功に対する深刻な迫害に注目した以外、シンガポールで発生した法輪功学習者に対する差別と迫害も人々の関心を引き寄せた。
「女性に対する暴力問題」「言論自由」、「任意逮捕」などの国連人権問題の主要な3つのプロジェクトの特別調査員は9月20日、それぞれの年度報告書の中に、当時不法拘留された法輪功学習者の黄才華さんと程呂金さんの釈放をシンガポール当局に呼びかける内容も盛り込んだ。
黄才華さんは、はるばるシンガポールから今回の人権会議に出席し、討論会の席上で発言した。黄さんは、特別調査員らの支援に感謝の意を表わしたのち、自らシンガポールで受けた迫害を紹介した。さらに、「帰国したら、シンガポール当局からのさらなる多くの無実の起訴に直面しなければならない」と語った。
シンガポール当局に告訴された11人の法輪功学習者=左から3番目は黄才華さん(大紀元)
黄才華さんがシンガポールで受けた迫害
黄才華さんはシンガポール籍の漢方医師である。2000年に、法輪功に対する迫害の非人道性について中国政府に訴えようと、飛行機に乗って北京の天安門に行きその訴状を天安門で警官に手渡した。これにより、黄さんは拘束されて、手元の現金をすべて没収されてから、国外に追放された。拘束されている間、彼女は警官が現地の法輪功学習者を暴行している場面を目にして、シンガポールに帰ったあと、この迫害の真実をシンガポールの民衆に伝えたいと思ったと言う。
それから7年間、黄さんは真相を伝え続けて、法輪功に対する迫害を止めさせるように呼びかけてきた。当初、シンガポールが自由民主の国家だと思っていたので、中国共産党の歓心を買うシンガポール政府から、様々な嫌がらせと迫害を受けるなど思いも寄らなかった。
2001年、彼女は麦里芝公園で中国の迫害により亡くなった法輪功学習者に哀悼を捧げているとことで逮捕されて、「不法集会の罪」で告訴された。2004年に彼女は公園で真相資料を配ったことにより、再び「無許可の集会の罪」で告訴され、証拠不十分のまま有罪判決を下され、刑務所に入れられた。彼女は刑務所の中で絶食して抗議したとき、強制的に鉄製の寝台の上に縛られて食事を注ぎ込まれた。
2006年7月に、彼女は中国大使館の前で「7月20日に絶食して中共の法輪功学習者に対する残酷な迫害に抗議する」という横断幕を掲げて静座したことにより、まだ「侮辱性の文字で他人に嫌がらせ」などの4種類の「罪名」で告訴された。法廷で横断幕に書いたことが事実であることを証明するために、代理弁護士が法廷で国連の人権報告書を提出したが、シンガポール法廷は受理しなかった。さらに弁護士が高級法廷に上訴したが、受理されなかった。弁護士は諦めずにさらに控訴した。今度の法廷審理は9月25日に予定されている。
「侮辱性の文字で他人に嫌がらせ」と断罪された横断幕と静座している黄才華さん(左側)
精神病院に監禁された法輪功の代理弁護士
黄さんによると、法輪功学習者の代理弁護士のラウィさんは、本来今回の国連人権報告会に出席して法輪功の訴訟事件においてシンガポール法廷の不公平性及び自分自身が受けている政府からの監視と脅しを国連に訴えたかったが、出発当日の朝に、突然警官により拘束され、精神病院に送り込まれた。政府は、精神に問題があるという理由で、彼の法輪功のための弁護資格を剥奪するつもりである。
黄才華さんは、今回の国連人権会議を通して、もっと多くの国に法輪功学習者が中国とシンガポールで受けている差別と迫害に注目してもらい、さらに国際世論の圧力の下で、シンガポール政府ができるだけ早く法輪功学習者に対して起こしたすべての告訴を撤回し、同国憲法で保障された言論と信仰の自由の権利を順守することを願ってやまない。
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