【大紀元日本9月18日】中国で一人っ子政策が実施された1974年以来、現在では、一人っ子が9000万人を超えている。そのうち1000万人の一人っ子同士が新しい家庭をもち、次の世代を育て始めた。このような家庭は「4・2・1家庭」と呼ばれている。つまり、4人の親と2人の夫婦及び1人の子供により構成された家庭である。
不足しがちな夫婦間の相互理解
自己中心的に育てられた一人っ子たちは、いざ結婚して自分たちの家庭を築いたとき、お互いを理解することが難しく、夫婦喧嘩が絶えないという。天津市家庭教育研究会の調査によると、一人っ子同士の夫婦のうち32%は口論が多く、家庭内のトラブルに対する処理能力が足りない。夫婦喧嘩の主な原因としては、子育ての責任を十分に果たさず、家事分担の不均衡に対する不満、自己主張が強すぎるなどが挙げられている。
経済と精神面の重い負担
第一世代の一人っ子たちは今や、自分たちの子供を育てる時期になっており、子供に良い教育を受けさせるために相当の資金が必要になる。そのために、重い経済的負担を背負っている。同時に彼らの親たちはすでに退職年齢に近づいているので、近い将来、夫婦二人は4人の親たちの世話をしなければならないことを考えると、その精神的経済的な負担は重い。一方、親たちは、子育てに専念している若い夫婦に、自分たちが無視されていると不満を漏らすケースも少なくない。
職場における一人っ子の問題も露呈
近年来、一人っ子の社会進出が増えるとともに、従来の企業管理システムに大きな負担をもたらしている。 広州中山大学管理学院の研究者は、「職場に入った一人っ子たちは、管理者にたくさんの新しい問題を持ち込んだ。彼らは、会社の紀律と制約を受け入れたがらず、集団の観念が薄く、自分の思うままに行動し、しかも、根性がなく、人からの指摘を受けたがらない」と指摘している。また、広州応用心理学会会長の傅栄教授も「一人っ子は一般の人より、比較的責任感が希薄で、自己中心の傾向が目立つ」と指摘している。
急速に進む高齢化
一人っ子政策により、出生率の低減で、老年人口と年少人口のアンバランスが露呈し、上海などの大都市で、高齢化が急ピッチで進んでいる。上海の人口1360万人のうち、20%が、上海における正式な退職年齢である59歳を上回っている。更に、この数字は毎年10万人のペースで増加しており、2020年には、上海住民の約3分の1が、59歳を超えることになる。上海市静安区の住民4000人のうち、30%が60歳以上である。
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