【大紀元日本9月17日】上海市はこのほど、豚の内臓、豚肉の食用で塩酸クレンブテロールによる食中毒が相次いで発生、15日までにすでに300人あまりが食中毒で病院に駆け込んだ。問題となった豚肉は浙江省海塩県から出荷され、上海市全市の66箇所の市場へ流通されたという。警察当局は現在同件について調査中。
中国大陸の「新京報」によると、上海の病院は連日、塩酸クレンブテロールによる食中毒症状の患者が相次いで病院を訪れた。その内、浦東新区だけでも数十人の食中毒患者を収容したという。これらの患者は、目まい、全身がだるい、心拍数が急速に上がり、手が震える等の症状を訴え、豚肉、豚の肝臓等を食したという。上海市食品薬品監督管理部門の調査によると、塩酸クレンブテロールによる食中毒事件の殆どが豚の肝臓等の内臓を食用したことが原因であるという。
9月15日夜までに、塩酸クレンブテロールによる食中毒は9つの区にまで波及し、すでに300人あまりが病院で診察を受けたという。その内の180人余りがそれぞれの勤務先の食堂にて豚肉を食べてから食中毒になったという。現在、十数人が病院に残り様子を見るところである。
報道によると、関係当局はすでに、今回の問題となった豚肉を販売した問屋の責任者を勾留し質問を行っているという。
塩酸クレンブテロールは気道のアドレナリンーβ2受容体に作用し、気管支炎や喘息の治療に用いられる。心臓に対する副作用があるため、現在は使用禁止されている。しかし、豚の場合は、同化学物質を大量摂取し、肝臓・肺・腎臓に蓄積しても中毒しない、その上、豚の赤身のたんぱく質合成および脂肪減少を促すことができ、豚肉の赤身の増加率を向上させることができるという。
塩酸クレンブテロールは人体対して、目まい、吐気、手足の振るえ、心悸亢進をもたらし、最悪の場合は心拍停止になり、死亡に至る場合もあるという。特に不整脈、高血圧、緑内障、糖尿病および甲状腺機能亢進等持病を持つ患者には極めて危険であることから、現在はすべての国において、同化学薬品は飼料添加剤として禁止されている。