【大紀元日本9月16日】バチカンに主教と任命された陜西省周至教区の呉欽敬氏は、9月11日に中共当局に逮捕された。呉氏は中共政権に認可されていないカトリック教の聖職者で、何度も当局に愛国会への加入を求められたが、拒否し続けていた。
ラジオ自由アジアによると、呉氏は2005年10月にバチカンに主教として任命されたが、今年5月に初めてその任命を明らかにされた。同氏は5月以降、主教の身分にて数多くのミサを行ったという。
情報筋によると、呉氏は主教に任命されてから、中共当局が同氏の主教任命は非合法であることを発表し、同氏に対してカトリック教愛国会への加入を要求したが、拒否されたという。
陜西省周至教区の興平県カトリック教会の職員・張氏は呉氏の逮捕を証言した。張氏によると、9月11日夜、十数人の警察が教会に突入し、呉氏を強制的に連行したという。関係者の情報によると、宗教局は呉氏に対して数日間「学習」させるという。呉氏の行方は、現在不明である。
中共政権は1951年にバチカン市国と外交を断ってから、カトリック教愛国会を設立し、主教任命の最終権限を持つことにした。一方、バチカンの指示に従う家庭教会の増加は、近年顕著になったという。
中国およびバチカンの国交が正常化できない最大の原因は、主教任命の最終決定権とみられており、今回の呉氏の逮捕の背景でもあるとみられている。興平県カトリック教会の張氏は、カトリックの主教任命は教会内部のことであるとし、政府の認可云々以前の問題であると主張した。
張氏に同調する関係者らは、主教の任命は教会の規定で、古来からの規則に従うべきだと主張した。
情報筋によると中共政権が主導するカトリック教愛国会は、500万人の信者がいると称しているが、カトリック教家庭教会は数千万人の信者がいるといわれている。一方、香港枢機卿・陳日君氏は、中国愛国会にいる85%の主教はすでにバチカン教皇の承認を得ていることを明らかにした。