トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は11日、国際決済銀行(BIS)主要国中央銀行総裁会議(G10)の記者会見で、世界経済成長は引き続き堅調になるとの見通しを示すと同時に、各国の中央銀行はインフレ圧力について楽観的になり過ぎてはならない、との見解を示した。
総裁は、今後の世界経済成長率について、2006年の約5%と予想されている水準から2007年には多少鈍化する見通しだが、引き続き堅調になると語った。その上で、そのような環境ではインフレ期待の抑制が非常に重要という点で各国中銀総裁の見解は一致したとし、「世界各国であらゆる策が講じられているため、インフレ期待は抑制されているが、その状況に甘んじることはできない」との見方を示した。
また、「仮に現在のセンチメントを要約するとしたら、拡大する不透明感のもとでの堅調な成長」と語った。
世界経済見通しについて、原油価格や保護主義、金融市場動向などがリスクと成り得る、と指摘。「一般に世界の金融市場でのリスクが再び急激に高まるおそれはいつでもあると言える」としたが、リスクはまだ顕在化しておらず、経済や市場の弾力性は向上したようだ、と述べた。
[バーゼル(スイス) 11日 ロイター]
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