【大紀元日本9月1日】香港の人権団体「中国人権民主化運動情報センター」によると、人民解放軍系列会社の男性職員が中国前総書記・江沢民氏の秘書を名乗り、上海の浦東発展銀行から、軍隊退役管理局の建設の名目で、約12億円の融資を騙し取ったという。同氏は昨年逮捕され、近い内、北京の裁判所で死刑判決を受ける可能性があるという。
同センターによると、この男性職員は、人民解放軍系列会社で秘書を勤めた王建国氏。2004年9月に、王氏は中央軍事委員会の押印した委任状を持参して、浦東発展銀行に人民元8200万元(約12億円)の融資を申請したところ、同行は簡単な審査だけで融資を実行したという。
融資を担当した浦東発展銀行北京支店の副支店長・于天来氏は、王氏が融資申請で使用した会社名義の上海智盛化工有限公司上海事務所が、軍隊の海空賓館の中にあることと、王氏は戦闘機、戦車などを持っているとの背景説明もあったため、疑わなかったという。于氏は融資書類を受理し、銀行の上層部も問題なく審査を通過し、融資を許可した。
王氏は共犯の劉樹林氏、廖梓宏夫妻と3人が昨年に逮捕された。騙し取った金額の1400万元(約2億300万円)は返還されたが、残りの6600万元(9億5700万円)は行方が分からない。共犯の劉氏夫妻によると、6600万元はすでに全部使い尽くしたという。
中国人権民主化運動センターは、供述は疑わしいとしており、一部の金は軍部幹部に渡っている可能性があると指摘している。また、浦東発展銀行に対して、莫大な資金をあまりにも簡単に融資したことを非難した。
中国軍部の腐敗は、江沢民時代にはびこるようになった。最近、軍部の腐敗に懲罰が実施されており、胡錦濤政権が江沢民派閥を除去する措置であると見られている。