【大紀元日本8月28日】韓国の「月刊朝鮮」最新号(9月号)によると、北朝鮮当局は1996年、平壌市中心から車で15分の、金正日総書記の公邸「22番招待所」に、核戦争防衛用の地下シェルターを開設したという。現在、同所の警戒は厳しく、金正日がいつでも使用できる態勢にあるという。同報道は、1987年から13年間、金総書記の専属料理人であった、藤本健二(仮名)氏の新書『核と女を愛した将軍様』(7月出版)のスクープ証言によるものである。
『金正日の料理人』、『金正日の私生活』の二書に引き続き、藤本氏の『核と女を愛した将軍様』によると、北朝鮮人民軍将軍・金明国氏が1996年、金正日の主催した酒宴で、一気飲み3回を過ぎた頃、「将軍(金正日の尊称)には十分に安心していただける。たとえ戦争が発生するとしても、私達は命を顧みず将軍を保護していける。地下室はすでに完成し、室内温度は摂氏22度に設定する」ということを述べている。少しほろ酔い加減だった金総書記は、金明国氏の話を聞くと、突然酔いを覚ましたように厳粛な表情になったと、藤本氏は当時の光景を述懐している。この「地下室」とは、きわめて少数の、金正日の直系である腹心しか知らない軍事機密だ。その後、金明国氏は二度と金正日の酒宴に姿を現すことがなかったという。
「地下室」の位置に関しては、金総書記の平壌公邸「22番招待所」にあたり、1992年から2年間封鎖されたことがある。かつて豪華車の出入りする同地域で、軍用トラックが建築材料を頻繁に運送しはじめるようになったのは、疑いなく金総書記専用の核シェルター建設のためである。また、北朝鮮のあらゆる招待所に検問所が設けられ、車両などを管制しているが、「22番招待所」ではいっそう厳重に警備されている。同所には連絡用の地下道があり、内部には3000メートルの競馬場、射撃場、各種の娯楽施設が備えられている。また、同所は金総書記夫婦の休憩所を提供しているだけでなく、同時に金総書記の専用列車の始発点となる。この地上2階、地下3階の建物は、標高150メートルの堅固な岩石山の斜面の上に位置している。