【大紀元日本8月25日】ここ数年、中国各地は深刻な干ばつに見舞われている。被災地区のダムや貯水池、河川は涸れ、被災者たちは水不足で死活問題に直面している。目下、湖南省張家界地区では40年ぶりの大干ばつに見舞われたため、全市の40万人の住民は、深刻な水不足に陥っている。一方、南京市南宕村では、すでに2ヶ月間断水し、村民は生存のために住血吸虫が生息する汚水を飲用しているという。
4000人が1つの井戸で命をつなぐ
瀟湘モーニング紙の報道によると、湖南省張家界市では連日の炎暑に見舞われ、全市の平均降雨量はわずか93ミリで、これまでの同期比170ミリ減という。被災地である同市の4つの県、および91の郷鎮行政区域では、作物の被害面積は約77万333ヘクタール、39万7300人および12万1800頭の大型動物が飲み水不足に陥っている。
現在、同市にある大・中型ダムの貯水量は最低水位に減っている。永定区前駆の87の郷鎮行政区が断水し、今年の7月中旬から、4000人あまりの住民が棕橋湾村にある小さな井戸水に頼っているという。井戸水は1立方メートルあたり20元(約280円)で売られており、水道水より200倍も高いという。
一方、南京も今は酷暑の季節であり、高洵県陽江鎮南宕村の3000人あまりの住民は、すでに2ヶ月以上深刻な飲用水不足の問題を抱えている。一部の村民は村を流れる水陽江の川水で渇きを忍んでいるという。
南京村民は住血吸虫含有の水を飲用
水陽江には寄生虫を持つカタヤマガイ※が繁殖しており、岸辺には、多くの水生植物が繁っている。また、汚れた水面には蚊やハエなどが飛び回っており、水質は極めて悪い。南宕村村長・孫村長は、ここ数年水道水の供給量は思わしくなく、今年は夏になってから、水道水は流れてこなかったと深刻な水不足を訴えた。また、水道の断水が長引く中、住民はやむを得ず、毎日朝5時から川水を運ぶという。
住血吸虫が生存している水陽江は「疫病の水」として、江蘇省からカタヤマガイの予防禁止区に指定されている。しかし、水不足に困った住民たちは、「水不足で死ぬより、病気になった方がましだ」と心境を語った。
※寄生虫をもつ貝類は、最も多くの人々に甚大な危害を与える可能性がある。日本では、カタヤマガイOncomelania nesophoraの媒介する「片山病」によって多数の人々が死亡し、深刻な被害をもたらした。かつては広島県片山村、山梨県、福岡県、佐賀県のみに見られる奇妙な風土病として有名だったが、現在では根絶されている。「貝の博物誌」より
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