ミサイル発射から一ヶ月、金正日の行方は?

2006/08/13
更新: 2006/08/13

【大紀元日本8月13日】北朝鮮が国際社会の制止にもかかわらず、公然とミサイルを発射してから一ヶ月、北朝鮮の金正日国防委員長は公式の場から姿を消している。韓国では、北朝鮮の内部問題や金氏の健康問題説などさまざまな噂が広まっている。

中央社によると、金委員長は7月4日、つまりミサイル試射の前日タイヤ工場に訪れ、その後公式の場から姿を消した。北朝鮮メディアは、金委員長が7月8日の父親の金日成に対する表敬についても何もなかった。北朝鮮のテレビには、以前に放送された農村、工場、軍事基地などの視察場面が繰り返し流されているだけだ。

北朝鮮のような孤立した国では、神に近いと尊ばれる指導者はめったにメディアから姿を消さない。専門家はどうして金委員長がメディアの前に現れないかを推察している。過去にも稀にマスコミから姿を消す場合があったが、父親の記念地を訪れなかったことはない。

2003年に、40日間メディアから消失したことがあった。それもまた核開発問題で緊張関係に置かれていた時だった。アナリストは当時、金委員長が身の安全を考えての行動であると分析した。

64歳になる金委員長は1994年に、北朝鮮の永遠の国家主席で父親の金日成の亡き後、権力を継承した。常に軍事基地を訪問することで、士気を奮い立たせた。ここ数年間、金委員長の外出活動は60パーセント以上が軍事関係だ。

韓国の東亜日報の報道では、金委員長は内外の一連の問題を受けて、現在は隠遁して熟慮中なのではないかと指摘した。

韓国のシンクタンク・世宗研究院で北朝鮮問題を研究している専門家・白漢成(音訳)氏は「金正日は施設視察などの外での活動に積極的だった。現在の異常な状況の原因は不明だ。一番有力な説は、ミサイル試射後に多方向からの国際圧力をいかに処理するかについて深く考え込んでいるのではないかということだ」と述べた。

さらに「北朝鮮は国際社会からの厳しい非難、および同盟国の中国が国連の決議を支持したことは予想外だったに違いない。北朝鮮メディアも、金委員長の居場所については、安全を保障するためになにも触れていない」と語り、「米国が絶えず圧力を加えるため、北朝鮮はその最高指導者の身の安全に対してきわめて敏感である」と指摘した。