米戦略専門家:中共の春暁ガス田採掘は賢明ではない

2006/08/09
更新: 2006/08/09

【大紀元日本8月9日】中国海洋石油総公司(CNOOC)が春暁ガス油田での採掘を開始したとの発表は、実質上第1段階の商業ベース活動が始まったことを示唆した。これに対して、日本政府も対抗姿勢を見せた。アナリストは、中共のこのような行動は決して賢明ではないとし、日中双方のガス油田争奪戦は、9月の総裁選終了・首相交代後に再び事務協議による解決しかないと分析した。VOAが伝えた。

欧米のメディアによると、東シナ海の春暁美ガス油田は日中双方海域の中間線に非常に近く位置しているため、日本側は排他的経済水域(EEZ)として中共に求めたが、中共側は認めなかった。中共は、あくまでも排他的経済水域を沖縄海域にあると主張している。

中共の行動、日本人の反中感情を促す

米戦略および国際研究センターのシニア研究員ガライギ氏は、中共側はエネルギーの需要が日増しに高まったため、また、春暁ガス油田は中共寄りの海域に位置するため、開発の争点にならないとの見解で、一方的に春暁ガス油田の採掘を行ったと分析した。しかし、同氏は中共側の行動は賢明ではないとし、日本人の反中感情を引き起こし、日中協議の難航をもたらす原因になるとの見方を示した。

日本側の報復行動の可能性は低い

ガライギ氏は、日本側は中共が同ガス油田採掘を中止しなければ、双方の海域中間線付近にある、別の争議中のガス油田開発を行うことによる、報復行動を取る可能性は低いとの見方を示した。

事務協議再開は新しい首相に託す

また、ガライギ氏は、この問題に対して、日中双方はそれぞれの主張を堅持しているが、最終的に話し合いによって解決できるとし、中共が南シナ海における他国との領域紛争で主権放棄および共同開発で解決した例を参照することができるとの見解を示した。

しかし、同氏は何度も靖国参拝をしている小泉首相は、8月15日にも再度参拝する可能性があるとし、両国の首脳会談もあまり開かれず、日中両国は政治と歴史に関する交流がもっとも少ないため、この問題の解決を難航させていると指摘した。同氏は、問題解決は日本の新しい首相に期待したいとの見方を示した。