【大紀元日本8月5日】ハリウッド俳優リチャード・ギア氏は6月6日、「チベットを救援する国際運動」の会長として中国共産党(中共)政権に対し声明を発表、「中共の青蔵鉄道は、チベットに苦難および暗黒をもたらす」とし、チベットをさらに軍事化させ、チベット資源およびチベット人民を隔離させる目的であると指摘した。
ギア氏は、青蔵鉄道開発はチベットの伝統文化を侵害し、チベットの自然環境を破壊したと非難した(Cancan Chu/getty Images)
ドイチェ・ベレの報道によると、ギア氏は声明の中で、青蔵鉄道の本当の目的は政治上および戦略上のもので、真の受益者は中共占領軍および中国の企業、移民であり、チベット人ではないと指摘し、チベット人は漢民族占領・統治における経済の中での生存機会もなく、経済発展の成果から利益を取得することもできないと、中共を非難した。ギア氏はまた、同鉄道の建設によって、チベット人に対する政治権利の剥奪がさらに深刻化すると
ギア氏は声明の中で、中共が同鉄道建設の本当の政治目的とは、チベット地区のコントロールの強化であると指摘した(Getty Images)
指摘した。
中共、資源を略奪、チベット人を追い出す
ギア氏は、チベットの首都ラサでは、チベット人はすでに減少しており、同鉄道の開通によって、大量に移民される漢民族はチベット人をさらに僻地へ追い出す結果となり、チベット人は宗教教育を受けることも難しくなるとし、実際、亡命しているダライ・ラマ法王の肖像を所有することが違法となっている現状を指摘した。
ギア氏は声明文の中で、あるチベット人を例としてあげた。このチベット人は、漢民族しか雇わないため炭鉱の仕事もできず、漢民族向けの品物しか販売しない店にも雇ってもらえなかったという。さらに、中共当局は、遊牧するチベット人に対し定住することを強要し、同チベット人が所有するすべての家畜も、中共当局に押収されたという。
声明文よると、チベットは1950年に中共に占領された後、1千箇所以上のチベット仏教の寺院が破壊され、数万人のチベット人が殺害されたという。また、中共のチベットに対する迫害は巧妙な策略が練られ、一部の寺院は建て直されたが、目的は観光客を誘致するためのものであるという。
チベット遺産破壊の停止を呼びかける
ギア氏は、「チベットには豊富な文化遺産があるし、チベットに宗教が存続しているとは、智恵を原則に、同情心、人類の相互依頼および非暴力に基づいているとし、これらの文化はチベットの土地およびチベット人のこころの中に深く根をおろしている」と分析し、「仏教遺産がチベットで存続および伝承されていることは、チベット人および全世界にとって、決定的意義をもっており、中共は躍起した超大国として、チベット遺産を破壊し続けるべきではない」と非難した。
ギア氏は、中共国家主席・胡錦濤氏に対して、チベット政策の中で演じる役割を強く非難した。同氏は、1980年代にチベット共産党委書記を務めた当時、「チベットにおける大規模の拷問迫害の実行およびラサにおける戒厳に対して、責任を負うべきであり、チベット人を迫害した胡錦濤氏は、人々は決して忘れはしないのだ」と指摘した。
ギア氏は、「チベットの伝統を無視し、すべてが内陸と同様なやり方で行われていることに対して、チベット開発を進める政策の責任を負うべきだ」と中共を非難した。