【大紀元日本8月2日】7月31日午前、湖北省随州市の20以上の郷鎮から、数百人の民辦教員(※)が陳情のために市政府前に集まり座り込んだ。しかし、当局は直訴者を強制的に追い払おうとし、教員たちとの間に衝突が起きた。
教員たちが政府に提出した上申文で、湖北省政府が96~98年において、随州市に対して、毎年500人の民辦教員が正式に国家教員になる指示を下したというが、しかし、随州市政府は自然災害を理由に、この3年間、1人も国家教員にさせなかったため、殆どの教員がリストラされたという。これらの教員は転職もできず、商売する資金もなく、生活のすべがなくなったと苦情を訴えた。
同日午後、随州市の秘書長・康氏、曽都区の副区長、曽都区の教育局局長らが、問題はすでに解決されており、問題はないと教員たちの訴えを却下した。さらに、随州市当局は各郷鎮村の幹部らに、陳情に来た参加教員たちを阻止するよう指示したという。当局の幹部らは横暴な態度で、教員たちを強引に車へ押し込んだりした。また、強制連行を逃れようとする教員・李鳳云(音訳)氏に対して、数人で追いかけ、車に押し込もうとした。
同日深夜になっても、数十人の教員が市政府前に座り込みしていたという。一部連行された教員たちは、翌日また現場に来ると意思表明したという。
貴陽時事評論員・曽寧氏は同件について、特に最近、集団抗議事件は次から次へと頻繁に起きていることを示した。また、事件を起爆した原因は、普遍的であると指摘した。
曽氏は、中共の極悪非道で人間性を喪失させるやり方によって、天地が怒り、人が恨みを持ち、中国人は皆、こころの中に憤りを覚え、社会に対する不満は、些細なことでも怒りを爆発させる火種となり、集団抗議事件にまで拡大したとの見方を示した。
また、湖北省に常に強い関心を寄せている劉飛躍氏は、集団抗議事件発生の主な原因について、中国人民は中共執政者との間に調和のできない矛盾があるからと指摘した。中国の体制改革は、経済改革のみの歪な改革であり、政治体制改革は同時に進めておらず、弱者の基本生存権、基本合法権益は保障されていないと指摘した。
劉氏は数年前から同件について関心を寄せていた。昨年末に、陳情に出かけた地元の教員たちに出会い、状況を知り海外のメディアへ発信したという。
また、西安出身の人権弁護士・張鍳康氏は、各地で頻発する集団抗議事件は、社会矛盾の累積がもたらした必然的な結果であるとの見解を示した。同氏は、一部の集団抗議事件はまだ物質的利益において訴求しているが、それぞれの集団が物質的利益を超え、人権の訴求まで行き着ければ、なお強い合成力となり、最終的に中国社会を変えることができるとの意見を示した。
実際、集団抗議はこれに止まらず、7月だけで各地で下記の多くの抗議事件が起きている。中国人権民主情報センターによると7月29日午後、杭州の公安職員500人が肖山区で建築中の教会を強引に取り壊そうとしたため、3000人のキリスト教信者と衝突が起き、信者20人が公安によって怪我を負い、4人が重傷となったという。
また、7月27日、四川省自貢市暴力団員は市政府の指図を受け、道具を積んだトラックで自貢市白果村8組へ強引に押し入り、農民に残された僅か4・66ヘクタールの土地を強奪しようとしたが、農民の強い抵抗によって阻止された。
7月23日夜、湖南省湘陰県暴力団の喧嘩で、一般住民らが巻き込まれ。被害者らが公安局に対して元凶を取り締まるよう求めたが、無視されたため、瞬く間に群れができ、一時混乱に陥った。当局は大勢軍隊、警察を現場へ派遣し、警備を強化したという。
7月22日、広東省東莞市ヘンリー玩具工場の千人以上の工員が集団抗議を行った。工場の過酷な仕事内容、生活環境の悪条件および低工賃が原因であるという。
7月19日、四川省巴中市巴周区4人の城管局職員が1人の市民を殴打し、怪我を負わせたため、2000人以上の市民が巴周市城管局を包囲し、300人強の公安職員と衝突するまで事件が拡大した。少なくても30人が負傷し、城管局の多数のオフィスおよび2台の警察の車が破壊されたという。7月20日朝、当局は南充市の警察機動隊150人を現場へ派遣し、21人を逮捕したのち、ようやく鎮静したという。
7月10日、千人近い退職軍人たちは陝西省政府当局へ陳情した際、警察と衝突が起きた。警察に強制的に車へ押し込まされた陳情者たちが抵抗したため、警察が暴力を振るったという。
7月10日夜、貴陽市へ出稼ぎにきた地方の労働者が一時許可証の申請を拒否したため、当局執行職員らに殴打され、大怪我を負った。事態を知り激怒した数百の民衆が警察と衝突し、十数台の警察の車が破壊された。当局は数百人の武装警察を現場へ派遣し鎮圧したという。
(※)民辦教員:国家教員編制に組み込まれていない小中学校教員を指す。農村における初等教育を普及させ、または教員不足を補うために「民辦教員」制度が設けられた。農村の小学校教員のほとんどがこうした教員。「民辦教員」は一般的に、中学校以上の教育学識を持っているとされる。学校または、地元の基礎組織が候補者をあげ、行政主管部門が選択推薦し、県級教育行政部門が審査(学識の審査が合格すれば、任用証書を発給)する仕組み。
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