与謝野経済財政・金融担当相は、月例経済報告等に関する関係閣僚会議後の会見で、デフレ脱却について、もうしばらく様子を見て判断すると述べた。
政府は7月の月例経済報告で、約5年ぶりに「デフレ」の表現を削除し、現時点でデフレという状況にはないとの認識を明確にした。一方で、「後戻りする見込みがないこと」がまだ確認できないため、デフレ脱却を意味するものではない、ともした。
デフレ脱却判断に欠けている要素について与謝野担当相は「後戻りしないということは極めて主観的なこと」とし、「もうしばらく様子をみて、エイヤーと判断する」と答えた。
デフレ脱却宣言については「物価指標は遅行指標で、数カ月遅れになる。梅雨明け宣言のように、はっきりしたことがすぐわかる話ではない」とし、「経済政策上、(宣言が)必要かは、一考を要する」と述べた。
一方で「小泉政権は経済政策運営では不良債権処理やデフレ脱却を掲げて戦ってきた。総理が政権運営してきた5年間の総括として、たとえば言う(宣言する)のは、意義のあることだ」と述べた。
また、「デフレ脱却」に向けた政策運営上の課題では「政府が国内からも、国際的にも、信認を得ること」とし、「日本国政府が財政規律を重んじて財政政策を行っているということをはっきりわかっていただくこと。もうひとつ、金融政策は政治的というよりは日銀が中立性のなかで判断していく、そういうシステムが確立されていることを内外にきちんと理解していただくことが最大の経済政策だ」と述べた。
[東京 19日 ロイター]